マイナー生活10年の選手が32歳5カ月でNBAデビュー A・イングラムに拍手喝采

[ 2018年4月11日 16:38 ]

チームメートに祝福されるレイカーズのアンドレ・イングラム(AP)
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 NBAレイカーズは10日のロケッツ戦を前にして傘下のマイナー、Gリーグのサウスベイ・レイカーズでプレーしていたガードのアンドレ・イングラム(32)と10日間契約を締結。DリーグとGリーグのマイナー組織で2007年以来、計384試合の出場経験がある同選手は、この日にロサンゼルスで行われたロケッツ戦にレイカーズの一員として29分出場し、32歳5カ月で念願だった“メジャー昇格”を果たした。

 試合前からA・イングラムの経歴はファンとチームメート、さらにはロケッツの選手にも知らされ、プレーオフとは関係のない消化試合とは思えぬ熱狂ぶり。マイナーでは史上最多となる713本の3点シュートを決めているA・イングラムはその“得意技”を5本中4本成功させ、6点差で敗れはしたものの、リーグ全体1位のロケッツから19得点をマークして、ステイプルズセンターを埋めた1万9000人のファンから嵐のような拍手を浴びていた。

 バージニア州から妻と2人の娘を呼び寄せて晴れ舞台に立ったA・イングラムは「試合前から興奮していたよ。人生に一回のデビュー戦。ここ5年間はもう辞めようかと思った時期もあったけれど、プレーするのは楽しかったし、“ああ、あのときやっていればよかった”とあとから後悔はしたくなかった」と感無量の面持ち。この日はシュートを決めるたびに、故障で試合に出られない主力フォワード、ブランドン・イングラム(20=姻戚関係はなし)らチームメートが飛び上がって歓喜するなど、10年の歳月をかけてコートに立った“オールドルーキー”を盛り立てた。

 対戦したロケッツの主力ガードでA・イングラムと同じ1985年生まれのクリス・ポール(32)は試合後、「信じられない努力だと思う。彼に“話は聞いた。リスペクトするぞ”と言っておいた」とコート上で抱きしめてその健闘を称賛。この日は白髪交じりの頭を見せた32歳のルーキーが、1人で全米のスポットライトを浴びる試合となった。

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