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不振に苦しむ石川遼が見せた“ゴルフ愛”

三井住友VISA太平洋マスターズ2日目、5番、ティーショットを放つ石川遼
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 【福永稔彦のアンプレアブル】男子ゴルフの石川遼(26=CASIO)が苦しんでいる。過去2度優勝して相性が良い三井住友VISA太平洋マスターズでは2日連続76で通算8オーバーの79位に沈み、国内自己ワーストとなる5戦連続予選落ちを喫した。

 入れ替え戦を戦った末に米ツアーの出場資格を失った石川は、日本ツアーを戦いながらスイング改造に取り組んでいる。「今まではフェースローテーションや体のねじれで飛ばしていたけど、フェースローテーションやねじれを使うと曲がるので、体のターンで打っていく」。飛距離よりも精度を重視したスイングを目指している。

 試合中もラウンドの前後に打ち込みを行っている。スタート前の練習は通常60〜70球程度だが、今は200球近く打つこともある。「ほとんどドライバーと5番アイアンしか練習していない」。練習場で使うクラブが偏っているため、プレーにも影響が出る。「アプローチの距離感が合っていない。でも今はアプローチに練習量を割ける状態ではない」と言って表情を曇らせた。試合で良いスコアが出ないのは当然と言えば当然なのだ。

 それでも本人が前向きな姿勢を失っていないのは救いだ。練習場で球を打っている時も悩んでいるという印象はない。コーチの父・勝美さんは「大変だけど、本人は結構楽しんでやっている。72で回るためにやっているのではない。高いレベルに行くため、勝つためにやっているのだから」と明かす。谷底からはい上がろうとしているのではなく理想を追い求めている。だから前向きになれるのだ。

 三井住友VISA太平洋マスターズ第2日、予選落ちが決まった石川はホールアウト後、練習場に直行した。最後の1人になるまでボールを打ち続けた。約200球。時間にして1時間45分。太陽は沈み、空は暗くなり始めていた。打球を確認することさえ難しくなっていた。最後の1球を打ち終わった石川は、練習場のスタッフが待機する小屋に向かって歩き出した。

 「遅くまでありがとうございました」。そう言って深々と頭を下げた。暗がりで腰を折る姿を見て涙腺が緩みそうになった。人間として当たり前のことかもしれない。しかし、そのお辞儀にゴルフを愛する心が表れているような気がした。

 自分の少年時代を思い出した。野球が大好きで、日が暮れるまで球を追いかけた。球が見えなくなると、練習が終わる。グラウンドに一礼をして引き上げるのが儀式だった。

 石川の中にはそういう純粋さが残っている。ゴルフに対してまっすぐに向き合う男なのだ。今の不振から抜け出すことが簡単でないことは分かっている。しかし、ゴルフに対する真摯な姿勢がある限り必ず復活する。そう信じている。(専門委員)

 ◆福永 稔彦(ふくなが・としひこ)1965年10月8日、宮崎県生まれ。89年入社。サッカーのW杯を3回、ゴルフのマスターズを3回取材。

[ 2017年11月14日 09:45 ]

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