W杯まで100日…エディーHC 世界のラグビーを「日本が変える」

[ 2015年6月10日 09:30 ]

ラグビーW杯開幕まで100日となり、抱負を語ったエディー・ジョーンズHC

 今年9月18日に開幕するラグビーW杯イングランド大会まで、10日であと100日となった。24年ぶりのW杯2勝目、そして準々決勝(8強)進出という大きな目標を掲げる日本代表は、今この瞬間も宮崎の地で合宿に励んでいる。03年大会で母国オーストラリアを率いて準優勝、07年大会は南アフリカのアドバイザーとして優勝を経験しているエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(55)が、日本を率いて臨む3度目のW杯への意気込みを語った。

 ――開幕まで100日となった

 「時間が足りません。100日あるが、一日も無駄にできない」

 ――これから取り組むことは

 「(初戦の)南アフリカに勝つための準備。相手は世界ランキング2位で2度W杯を勝っている。日本は24年間W杯で勝っていないが、勝つチャンスはどこかに必ずある。選手にそれを伝え、遂行できるかどうかです」

 ――なぜ南アに勝とうとするのか。残る3試合に勝てば目標の8強は達成できる

 「1戦目だからです。世界の2位と良い戦いができれば、その後のゲームもいい戦いができる」

 ――ここまでの準備状況は

 「十分にやっているが、満足はしていない。筋肉をつけて、同時にランニングフィットネスをつけないといけない。南アの監督は選手に戦術を理解させればいいだけ。我々は筋量とフィットネスを上げ、戦術を理解させないといけない」

 ――7月のパシフィックネーションズ杯はどのように戦うのか

 「全てW杯を想定して戦う。W杯の予行演習として使わないのは(W杯でも対戦する)米国戦。米国には一切、手の内を見せない。相手には何も明かさない」

 ――13年10月に脳梗塞で倒れた。その後、コーチとして変化はあったのか

 「一つ気付いたのは、コーチという仕事ができることが恵まれているということ。これはセカンドチャンスだと思っているので、無駄にしたくない」

 ――ラグビーへの信念は

 「ラグビーはどんな体のサイズでもプレーできる。夜寝付きが悪い時は、スーパーラグビーの南アのチーム同士の試合を見るとよく寝られる。なぜなら、大きな体のランナーが当たって、当たって、ハイパントするだけ。本当につまらないラグビーをしている。本来、ラグビーはあんな戦い方をされるべきではない。ラグビーはボールが動く競技。あるべき姿が失われている。パワーとフィジカルで戦う試合ばかりになっている。日本はラグビーの芸術面を再提示することができると思っている」

 ――それが世界のラグビーを救うことになる

 「大きなメッセージを示すことができる。スキルとスピードは世界でも勝てるところ。125キロの選手が、ただボールを持って突っ込むというだけでなく、他の戦い方でも勝てることを示す」

 ――母親が日系人。日本に懸ける思いとは

 「日本でコーチをできるのは、非常に光栄なこと。コーチを始められたのは日本のおかげなので。今目指していることは、世界中で一番エキサイティングで、一番困難な任務だと思う」

 ◆エディー・ジョーンズ 1960年1月30日、オーストラリア・タスマニア州生まれの55歳。現役時代はフッカー。96年に東海大でコーチ業を始め、01年にスーパー12(現スーパーラグビー)のブランビーズを率いて優勝。01年にオーストラリア代表監督に就任し、03年W杯では母国開催で準優勝。07年のW杯は優勝した南アフリカのテクニカルアドバイザーを務めた。09年からサントリーのGM、監督を歴任し、12年4月から現職。母が日系米国人2世で、家族は日本人の妻と1女。

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