史上初!アマ2人が首位 「100点」堀琴音 森田遥と最終組対決

[ 2014年5月4日 05:30 ]

<サイバーエージェントレディース2日目>ともに8アンダーでホールアウトし、笑顔でグータッチをするアマチュアの堀琴音(左)と森田遥

女子ゴルフツアー・サイバーエージェント・レディース第2日

(5月3日 千葉県市原市・鶴舞カントリー倶楽部(6515ヤード、パー72))
 アマ旋風が止まらない。首位と2打差の5位から出たアマチュアの堀琴音(18=兵庫県連盟)が6バーディー、1ボギーの67をマーク。5バーディー、1ボギーの68で回った森田遥(17=高松中央高)とともに通算8アンダー、136でツアー史上初めて、アマチュア2人がトップに並んだ。ツアー5人目のアマチュア優勝を懸け、4日の最終日は最終組でしのぎを削る。
【第2R成績】

 多くのカメラマンに囲まれて、堀ははにかみながらポーズを取った。ナショナルチームの同僚でもある森田とグータッチをすると、また照れ笑いを浮かべた。ここは国内トップの女子プロが集うトーナメント。だが、王手をかけたのはアマチュアの2人。最終日の健闘を誓い合った姿はとにかく初々しかった。

 堀は3月に高校を卒業したばかりの18歳。「曲がったショットがフェアウエーに行ったり、ラッキーな一日だった」と言うが、ツキを逃さず67をマークした。プレー中、栄養補給のためにいつも3本食べるというバナナは2本半で、緊張もあったが、「きょうの出来はほぼ100点です」と笑顔を見せた。

 趣味は音楽鑑賞で、お気に入りは人気グループのEXILEという。クラブやボールについた土を拭くタオルはEXILE特製。そんな今どきの若者だが、コースではピンチでも落ち着いていた。首位を走る17歳の森田と1打差で迎えた16番パー4。第2打がグリーンをオーバーし、第3打のアプローチもピンまで2メートルを残した。だが、このパーパットを落ち着いてカップに沈めてセーブした。続く17番で13メートルのバーディーパットをねじ込んで森田を捉えると、18番は第1打を左の林に打ち込みながらも3オン2パットのパーで締めた。

 「攻めるところと守るところを見極められた」。実はツアーで60台を出したのは前日が初めて。それが2日連続とあって「少しうまくなったのかなと思います」と自信を示した。

 88年のツアー制度施行後、アマ2人が最終日最終組で回るのは史上初だ。森田とは出身が同じ四国とあってジュニア時代から知る仲。「森田さんは技術的にも精神的にも私より上」と強さを認めている。「勝ちたい」と話す森田とは対照的に「今週の目標は30位以内」と控えめ。だが、昨年の日本ジュニア選手権ではその森田らを破って優勝。父・恭士さんが「我慢強い」と語るように粘りのゴルフが身上だ。

 身近に最高のお手本がいる。ツアー2勝で3歳年上の姉・奈津佳とは大の仲良し。練習グリーンで声を掛け合いリラックスした。奈津佳が初優勝を飾った昨年のアクサ・レディースでは現地・宮崎で声援。優勝カップを掲げる姉の姿を見て「私もああいうふうになりたい」と憧れを抱いた。

 その憧れの瞬間に早くも王手をかけた。「素直にうれしい。夢のようで楽しみがいっぱい」。堀は目を輝かせた。2週前の勝みなみの優勝が象徴するように10代が席巻する女子ツアー。ニューヒロイン誕生の予感が漂っている。

 ≪06年藤本以来≫88年のツアー制度施行後、最終日を首位で迎えたアマは05年中京テレビ・ブリヂストンレディースの諸見里しのぶと06年大王製紙エリエール・レディースの藤本麻子に今回の14年サイバーエージェント・レディースの堀琴音、森田遥を加えた4選手。最終順位は諸見里が3位、藤本は10位で優勝を逃している。なお、最終日に首位に2人のアマが並んだのは初めて。また、最終組にアマチュア選手が入るのはペアリングの記録の残る02年以降、14度目だが、2人同時は記録にない。

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