稀勢の里、日馬圧倒!遠ざかっていた夢へ再挑戦 (1/2ページ)

[ 2010年11月17日 06:00 ]

稀勢の里(左)は突き出しで日馬富士を下す

 【九州場所3日目】白鵬を破った勢いのままに、苦手大関をも撃破した。稀勢の里が立ち合いから激しく突いて大関・日馬富士を圧倒。突き押しの攻防となっても一歩も引かず、そのまま土俵から突き出した。

 「大関は調子悪いみたいだけど何とか。もちろん、きょうの一番が重要だと思っていた」
 今回を除く過去2度の金星(08年初場所・朝青龍、同秋場所・白鵬)では、その翌日の取組でいずれも敗戦。三役として横綱に勝利した3回のうち、06年秋場所、08年夏場所はその翌日に黒星を喫した。秋巡業中に右肩を亜脱臼した影響で万全ではなかったとはいえ、これまで10連敗中と相性の悪かった日馬富士を相手にジンクスを破ったことは大きな自信になる。支度部屋に戻った稀勢の里は、当然のように充実の表情をのぞかせた。
 九州場所で最大の焦点だった白鵬の連勝を止めて、注目度も一気にはね上がった。土俵入りで場内から浴びる歓声は横綱・白鵬、地元大関の魁皇にも引けをとらなかった。「うれしいですね。周りから反響が大きかった。これだけ見てくれる人がいるのかと」。白鵬を破った15日夜は携帯に電話やメールが殺到。鳴戸部屋の電話も10時すぎまで鳴りやまず、祝電や花も次々に届いた。
 もちろん、浮かれている暇などない。師匠の鳴戸親方(元横綱・隆の里)からは「(大金星でも)一番は一番なんだ。毎日が大事になる」と厳しく戒められた。この日の朝稽古では足腰がふらふらになるほどの激しいぶつかり稽古を指示され、本人も「余韻に浸っていられない」と気持ちを切り替えていた。
 貴花田(現貴乃花親方)に次ぐ史上2位の年少記録(18歳4カ月)で新入幕を果たしたのが04年九州場所。06年夏場所には新三役となり周囲からは日本のホープとして期待されたが、大関への道は遠かった。同じ九州での劇的な大金星をきっかけに、大関への挑戦が再び始まった。

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2010年11月17日のニュース