1強宣言!「白鵬時代」の幕開けV

[ 2008年7月26日 06:00 ]

7度目の幕内優勝を決めた白鵬(前列左)は愛娘の愛美羽ちゃんと紗代子夫人のバンザイに笑顔

 大相撲名古屋場所13日目は25日、名古屋市中区の愛知県体育館で行われ、白鵬が1人横綱の責任を果たし、名古屋場所初Vを飾った。結びの一番で魁皇を寄り切りで破り、今年の初場所以来通算7度目の優勝。残り2日は自身2度目となる全勝優勝に挑む。ライバルの朝青龍が力の衰えを見せ始める中、白鵬が1強時代の足場固めを狙う。

【大相撲優勝額
名古屋場所速報


 圧倒的な力の差を見せつけた。3場所ぶりの優勝を懸けた魁皇との一番。白鵬は大関にまわしを許さないように立ち合いから突き放していき、先手を取って右四つ十分の形に持ち込むと危なげなく寄り切った。
 「先場所はケガがあり、その前の場所も負けていた。今場所(優勝したい)というのはあった。勝てて良かったです」
 先場所の千秋楽では朝青龍とにらみ合い、北の湖理事長(元横綱)から「白鵬が悪い」と名指しで注意された。しかし、この日の役員室でテレビ観戦した北の湖理事長は「これからは白鵬が中心になっていく。もっと優勝回数を伸ばしていくだろう」と白鵬時代の到来を予言するほどその強さに脱帽した。
 優勝の重圧は大きかった。この日は神経が高ぶっていたせいか「早く目が覚めた」と普段より1時間以上も早く起床。取組後に支度部屋を出る時には「疲れた。何だか眠くなってきた」と重圧から解放されたような笑顔を見せた。
 先場所までは腰痛の持病に苦しんでいたが、今場所は一度も不調を訴えなかった。毎日支度部屋で執行(しぎょう)稔トレーナー(40)のマッサージを受け体調管理。現在白鵬はその執行トレーナーの指導で、足の指骨の可動域を広げる肉体改造に取り組んでいる。「足の指が大きく動くようになれば指で土俵をつかめるようになり、安定感が増します」(執行トレーナー)とさらなるレベルアップを目指している。
 残り2日、まだ大きな目標も残っている。全勝優勝は昨年夏場所で記録しているが、横綱に昇進後は一度もない。「以前やったことがあるので、思い出しながら流れのある相撲を心掛けていきたい」。進化を続ける横綱は、千秋楽まで気を緩めずに完全優勝に挑む。

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2008年7月26日のニュース