本田医師来た!勝った!朝青「恩返し」

[ 2008年1月24日 06:00 ]

応援に駆けつけた本田医師(左)は、笑顔で朝青龍と握手をかわす

 恩人の前で完全復活をアピールした。大相撲初場所11日目は23日、両国国技館で行われ、横綱・朝青龍は大関・琴欧洲の挑発にも動じることなく、絶妙の引き落としで巨体を沈め、土俵下で見守った主治医、本田昌毅医師(37)に勝利をささげた。前日に土がついた白鵬も激しい突っ張りで安美錦を下し、1敗を死守したが、平幕・旭天鵬は朝赤龍に敗れ、2敗に後退した。1敗が東西横綱で2敗が平幕の鶴竜と旭天鵬、優勝争いはモンゴル出身の4力士に絞られた。

【取組結果


 恩人にささげる勝利だった。白鵬の勝利を見届けた朝青龍が花道を引き揚げる途中で左手を横に差し出した。その先には、顔を紅潮させて祝福する主治医、本田医師の姿があった。昨年夏の騒動で苦難を共にした2人は軽く拳を合わせて、勝利を分かち合った。
 この日は、本田医師のために朝青龍が前から2列目の席を確保。負けることは許されない一番だった。仕切りでは琴欧洲に何度もメンチを切られ、“世界一の負けず嫌い”が闘志を爆発させた。最後の仕切りでは、ゆっくりとした動作から左腕で腰を激しく叩いて気合を注入。立ち合いでは相手の突っ張りを受けたが、真っ向勝負で応戦し、左を差し込んで反撃に出た。右腕で相手の左を押さえながら体を開くと、2メートル2の巨体は前のめりになって崩れ落ちた。
 今場所一番の集中力を発揮した横綱は「(琴欧洲に)にらまれたから燃えたよ。こっちも負けないという気持ち。勝負だから返さないと」と気迫の勝利を強調。整髪後にも本田医師の祝福を受けると「うれしいね。苦しい時に助けてもらったし、恩返しの気持ち。いい相撲を見せられた」と感謝の意を表した。傍らでは本田医師が精神面での完全復調を宣言し「最高ですね。集中力はピカイチ。ボクもエネルギーをもらいました」と絶賛した。
 本田医師は千秋楽にも来場を予定しているという。「(王理恵さんと)2人で来ると騒がれてしまうから」と苦笑いを浮かべたが、横綱からは「応援するよ」と激励されたという。「気持ちは乗ってきたが、まだ100%ではない。気持ちを引き締めていかないと」。主治医からお墨付きをもらい、最強横綱が優勝モードに突入した。

続きを表示

2008年1月24日のニュース