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現役風俗嬢、コロナ禍の濃厚接触も「生きていかねば」 都知事選には「経済とコロナ対策両立を」

[ 2020年6月23日 05:45 ]

 政府の休業要請が19日に全面解除され、夜の街に客足が戻り始めている。新型コロナウイルス感染症が依然として油断できない状況にある中、高リスクを抱えながら働く風俗嬢はどんなことを思っているのか。

 取材に応じたのは、東京・五反田の派遣型ファッションヘルスで「はんたぁー」の源氏名で勤務する当真ゆきさん(38)。緊急事態宣言が都内に発令された4月7日以降は系列店のある三重で2カ月近く出稼ぎ。再び東京に戻ってきたのは6月からのため「収入面では大きな変化はなかった」と明かす。

 「感染が広がっていた時は周りの女の子の中には“コロナが怖い”と言っている子もいた」と当真さん。客の男性の中には感染を恐れて「ここのお店は女の子がキスをすることはありませんか」と店舗に確認する問い合わせもあったという。

 行為中を除いてはマスクの着用や検温などが主な対策。「新型コロナに効くかどうかはわかりませんがイソジン(うがい薬)も使っています」と笑う。キャバクラやガールズバーに比べると“濃厚接触率”は極めて高いが「生きていかなければいけない」と割り切っている。

 神奈川在住だが、勤務先が都内のため都知事選(7月5日投開票)にも関心を寄せる。これまで「誰が当選しても他の人が文句を言うし、子供のケンカのように感じていた」と政治にはあまり興味がなかったという。

 それでも、今回は休業要請を巡り「夜の街」が標的にされたことで「あからさまに素行が悪いと言われるのは心外だ」と不満を覚えた。「首都の経済が停滞してしまうのは大問題だし、かといってコロナ対策がおろそかになってもいけない。両輪をうまく機能させてくれる人にトップに立ってほしい」と首都の行く末を見守っている。

 将来に思いを馳せる理由の1つが家族の存在だ。発売中の「AV女優の家族」(著者・寺井広樹、光文社新書)で20歳の1人娘がいることを初告白。18歳で出産し、シングルマザーとして娘を養うために新潟から上京してAV女優になった経歴を持つ。当真さんは「子供のためにやれることは全てやった」と自負する。最近では、同じ境遇のシングルマザーの風俗嬢から「コロナでお客さんが減ってなかなか稼げない」という声を耳にすることもあるといい「決して後ろ向きにならずに、もっと自分を売るための努力をしてほしい」とエールを送った。

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2020年6月23日のニュース