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GKが日本の泣きどころになる日が、くる

親善試合ベルギー戦で、T・アザールと競り合い(左から)川島、槙野、山口
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 日本サッカーがまるで韓国に歯が立たなかった時代がかつてはあった。チームとして、だけではない。ポジションごとを比較しても、日本の優位性を感じられるところはほとんどなかった。

 GK以外は。

 車範根(チャボングン)、崔淳鎬(チェスノ)、金鋳城(キムジュソン)。次々と欧州でプレーするアタッカーを輩出していった80年代から90年代にかけての韓国だったが、唯一、GKの質だけは明らかに日本より下だった印象がある。ひいき目があることは否定しないが、それでも、松井、森下、松永らの方が、GKとして洗練され、完成されていたように思う。

 そして、その流れを一気に加速させたのが、いまもJ3相模原でプレーする川口能活の出現だった。彼は、日本サッカー史上初めてフィールドプレーヤー以上に脚光を浴びたGKであり、彼の出現により、とかく野球で言うところの“ライパチ”的にみられがちだった守護神というポジションは、サッカー少年たちにとって人気のポジションとなった。

 志す人間が増えれば、淘汰(とうた)の質は高くなる。日本代表が得点力不足を嘆かれることはあっても、GKの実力不足が懸念されることはほとんどない時代が続いた。

 だが、これから先はわからない。

 本欄でも何度か書いてきたように、GKとはその国の育成の質や熱意が如実に表れるポジションである。スペインがW杯で勝てなかったころ、リーガエスパニョーラのGKは外国人ばかりだった。スペイン人GKがイングランドでプレーする?20年前なら荒唐無稽すぎてジョークにもならなかったはずだ。

 世界王者になったスペインが、いまや世界屈指のGK輸出国となったように、技術的に致命的な欠点のある選手が多かった韓国のGKは、Jのクラブにとって欠かせない存在となった。

 さらに心配なのは、日本のメディアやファンのGKに対する注目度、関心度がどんどんと下降線をたどっているように感じられることである。

 第32節、等々力に乗り込んだガンバは、実に25本ものシュートを浴び、自らはたった1本のシュートしか放つことができなかった。これは、無残だった日本対ブラジルよりも一方的なスタッツである。

 それでも試合が1―0で終わったのは、ガンバのGK東口が超人的なセーブを連発したからだった。わたしは彼の試合をすべて見たわけではもちろんないが、それでも、おそらくは生涯に一度あるかないかの出来だったことは断言できる。

 にもかかわらず、そのことを大きく取り上げたメディアはほぼ皆無だった。「好守」という一言があればいい方で、中にはまったく触れていない記事もあった。かつて、過剰なぐらい川口が「止めた」「取られた」ことにフォーカスしていた時代があったのがウソのように。

 関心の集まらないポジションは、やがて廃れる。近い将来、GKが日本の泣きどころとなる日が、おそらく、やってくる。(金子達仁氏=スポーツライター)

[ 2017年12月2日 08:00 ]

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