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ハイチ戦をあえて擁護してみようか

国際親善試合   日本3―3ハイチ ( 2017年10月10日    日産ス )

ハイチ戦後、インタビュー前にベンチで考え込む日本代表ハリルホジッチ監督
Photo By スポニチ

 最終予選にすらたどり着けなかったチームに、それも4次予選6試合で2点しか奪えなかったチームに(しかも2点は消化試合となった最終戦で挙げたもの)、ホームで3点も取られてしまった。さすがにこの日ばかりは、ハリルホジッチ監督に対する辛口の論評が多数派になっていることが予想されるので、へそ曲がりなわたしはあえて擁護する立場に回ってみよう。

 まず、この日の結果と内容についてだが、心配する必要はまったくない。というのも、W杯本大会では、ハイチ程度のチームと同じグループになることはまず考えられないからである。すべての相手は格上になるため、この日のように、相手もポゼッションを重視しないために手詰まりになってしまった、という展開は極めて起こりにくい。

 さらに、時間をかけてチームの土台、背骨を構築していくというやり方をとっていない以上、まだW杯まで8カ月もある時期にどんなサッカーをやろうが、本大会への影響はいい意味でも悪い意味でもほぼ皆無だろう。7年前の日本代表は、W杯直前にそれまでのやり方を放棄し、内容を完全度外視したサッカーに変身したが、内容こそが結果につながると考えていた4年後のチームよりは好結果を残している。時間がなくても結果を出せるのは、カメレオン・サッカーの大きな利点である。

 前半の途中からは見るべきものがほとんどなかった?そんなことはない。ありとあらゆる手段を使ってチームにリズムの変化をもたらそうとしていた乾と原口の働きは大いに光っていた。そもそも、このメンバーで試合を戦ったことがまるでなかったことを考えれば、内容だの守備の連係だのを批判するのはナンセンスである――とでも書くかな、擁護するのであれば。

 正直なところ、終了直前に生まれた香川の同点弾がどんな意味を持つのか、わたしは測りかねている。むろん、彼にとって大きなゴールであることは間違いない。だが、日本にとってはどうか。内容を追い求めないサッカーが、結果を手にできなかった時にどれほどの虚(むな)しいものなのか。そのことを知る絶好の機会は失われてしまった。監督の交代を要求する声は高まらず、当然、協会も動かない。

 ただ、ザッケローニやアギーレのようなやり方はチームをつくり上げるまでにかなりの時間が必要になるが、カメレオン・サッカーの場合はすぐに効果が表れる。いざとなれば、大会直前の交代があったとしてもそれほどのダメージはない。

 というわけで、以前のわたしであれば間違いなく監督の更迭を要求していた内容と結果ではあるが、今回はしばらく静観することにした。まだ日本サッカーにはトライ&エラーが必要な時期。ハリルホジッチのやり方がどんな結果とムーブメントを起こすのか。それを見たい気持ちが強くなってきてもいる。

 カメレオン・サッカーは反吐(へど)が出るほど嫌いだけれど。(金子達仁氏=スポーツライター)

[ 2017年10月11日 15:00 ]

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