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小池知事VS森氏 東京五輪3施設見直しで再激突!

[ 2016年9月30日 05:30 ]

東京五輪・パラリンピックの調整会議に臨む東京都の小池百合子知事(手前)と大会組織委の森喜朗会長

 2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長は29日、開催費用などを検証する東京都の調査チームによる3競技会場の抜本的見直し案に「極めて難しい」との見解を示した。一方、東京都の小池百合子知事は「経緯については承知している」と受けて立つ姿勢を見せた。小池知事の就任後は協力姿勢を見せていた2人だったが、再びバトルが再燃することになった。

 森氏はこの日行われた調整会議で、ボート、カヌー・スプリント会場の「海の森水上競技場」に代わって、宮城県登米市の長沼ボート場を使う案など、3競技会場の見直し案について、「国際オリンピック委員会(IOC)の理事会で決まっていることをひっくり返すことは極めて難しい」と述べた。

 さらに会議終了後、報道陣に「金はどこが出すのか。都がかわりに整備してあげるのか。それはできないでしょう。知事には賢明な判断をしてほしい」と語り、小池知事をけん制。一方、小池知事は「調査チームの報告を重く受け止めて、総合的に判断したい」と前向きな姿勢を見せた。

 元々関係が良くないとされた2人。知事選中も五輪予算などについて場外口論を展開していた。今年8月、小池知事の就任後初めて行った会談では笑顔で握手を交わし、協力することを公にアピール。だが、バトルが再び開始された様相だ。

 また、東京都が組織委の経営全般を指導、監督できるよう、組織委の監理団体化を要請していることに、森氏は「我々は東京都の下部組織ではない」と憤慨。「そういうことを言うなら都から借りたお金をお返しする」と、都が組織委に拠出した出資金57億円を返還することまでも示唆した。

 丸川珠代五輪相は自身の就任会見では小池知事と森氏の関係について「調和を生み出す存在になりたい」と話していたがこの日は、「都の負担を軽減するために(他地域に)新たな負担が生じる可能性がある」と見直し案を批判した。

 また、都の調査チームは、都政改革本部会議で競技会場見直し案を正式に提案。「このままでは開催費用が3兆円を超える可能性がある」とし4倍以上もの金額を示した。海の森水上競技場に加え、バレーボール会場の「有明アリーナ」は既存の展示場・アリーナの改修、水泳会場の「五輪水泳センター」は東京辰巳国際水泳場の改修で対応できるとした。

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