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「東京五輪」評価微妙…好評価はリオデジャネイロ

[ 2009年9月3日 06:00 ]

 国際オリンピック委員会(IOC)は2日、IOC評価委員会が2016年夏季五輪招致を目指す東京、シカゴ、リオデジャネイロ、マドリードの4立候補都市を現地調査して作成した評価報告書を公表した。東京は市民の支持率の低さや、自信を持っていた計画の細部などに懸念が指摘された。

 昨年6月の1次選考はトップだったが、4月に行われた評価委の現地調査の結果では予想以上に厳しい評価となった。報告書ではほとんどの会場が半径8キロ圏内に収まるコンパクトな計画や政府の財政保証など「強み」を指摘。しかし、(1)既存としていた施設が実際には改修または新設の必要があったことが判明(2)選手村の用地面積に懸念(3)ホテル確保が開会式から閉会式までの期間に限られている――など、東京がこれまで自信を持っていた計画面で注文がついた。IOCが2月に独自に調査した開催都市の市民の支持率では55・5%で最も低かった。
 好評価を得たのは、南米初開催を訴えるリオデジャネイロ。「とても質が高い」と期待感がこめられた。開催都市は10月2日の総会(コペンハーゲン)で決定し、報告書はIOC委員が投票する際の参考資料となる。
 残り1カ月。今後は投票権を持つIOC委員に対するロビー活動で最後の追い込みをかける。さらに、10月2日の投票直前に行われる招致プレゼンテーションに、皇太子ご夫妻のご臨席や、新首相就任が確実な民主党の鳩山代表出席が実現するよう全力を挙げる必要がある。

 ▼石原慎太郎都知事 東京は環境を重視したコンパクトな大会計画、充実した輸送システムや財政力などについて非常に高く評価された。開催都市が決定する10月のIOC総会まで引き続き全力で取り組んでいく。

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2009年9月3日のニュース