【皐月賞】レガレイラ 76年ぶり史上3頭目の牝馬Vへ超抜!木村師も自信「トラブルなく来られた」

[ 2024年4月11日 05:30 ]

ウッドチップコース、併せ馬で追い切るレガレイラ(左)(撮影・郡司修)
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 孤高の天才少女が76年ぶりの夢に向かって突き進む。3歳牡馬3冠の第1ラウンド「第84回皐月賞」(14日、中山)の最終追い切りが10日、東西トレセンで行われた。美浦では紅一点の参戦となるレガレイラが出色の動きを披露。48年ヒデヒカリ以来、76年ぶり史上3頭目の牝馬Vへ、時は満ちた。同レースは11日に出走馬と枠順が決定する。

 手綱を放せば、地の果てまで駆けていくようなしびれる手応え。レガレイラの最終追いは朝一番のWコースで行われた。2馬身先行したリアグラシア(5歳3勝クラス)に4角で並びかける。僚馬との併走を楽しむ余裕さえ感じさせながら5F67秒9~1F11秒3。最後は半馬身、馬なりのまま悠々と前に出た。

 破格の時計(Wコース5F66秒0~1F10秒9)を出した先週に続き超抜の動き。木村師は「元気よく出られて、ライダーの指示通りに折り合えるか、最後の合図に反応できるか、基本的なところを見たかった」と意図を説明。中間の調整には「トラブルなく来られて、毎日アグレッシブに調教に向かってくれている」と自信をにじませた。

 皐月賞の牝馬Vは終戦直後の48年が最後。グレード制導入(84年)以降に限れば挑戦自体が3例しかない。だが、レガレイラにとってはこれが既定路線。陣営は昨年10月27日に締め切られた5大特別競走(クラシック)の第1回登録で、皐月賞&ダービーにエントリー。前走ホープフルSで牡馬を一蹴し、同レースが2歳中距離王者決定戦の位置づけとなってから史上初の牝馬Vを成し遂げた。

 「中央競馬を応援していただいている方に喜んでもらうためにも、新しいことにチャレンジしていかないといけないと思っている」。蹄跡なき道を進む決意に満ちた表情で木村師は力強く言葉を紡ぐ。中107日の出走間隔にも「個人的には1レースごとの消耗度は近年大きくなってきていると考えている。3カ月の休みをもらったことはネガティブではなく、馬にとっては良かったと思っている」と意に介さない。

 デビューから手綱を取り続けてきたルメールが先月末にドバイで落馬負傷。追い切り後に行われた共同会見でも、鞍上は「まだ決まっていない」と伝えられた。達人不在の穴は小さくない。それでもレガレイラの剛脚なら、三四半世紀動かなかった歴史の扉をこじ開けられるかもしれない。

 《孤高ゆえの難しさ》紅一点であろうともパフォーマンスを落とさない。その資質をレガレイラは備え持っている。「彼女自身の性格としては孤独に強い馬。よく言えば、マイペースで1頭でも平気でいられるところがある」と木村師。新馬戦(1着)でいきなり紅一点を経験。前走ホープフルSも牝馬は2頭だけだった。牡馬に囲まれる絶対的アウェーでもメンタルに変調をきたすことはない。一方で、その性格から「人との距離感が離れ気味になりやすい」といい、「一朝一夕にはいかないが、背中に人がいるとか、人が引いているということへの意識の向け方を(改善できるように)厩舎で積み重ねて管理している」。天才少女は孤高ゆえの一長一短を内包している。

 《48年ヒデヒカリが最後》皐月賞の牝馬Vは47年トキツカゼ、48年ヒデヒカリの2頭のみ。共に戦後の混乱期でレース名も「農林省賞典」として東京競馬場で行われた。連対も52年2着タカハタを最後になし。84年グレード制導入以降では3頭が挑戦し91年ダンスダンスダンス5着、14年バウンスシャッセ11着、17年ファンディーナ7着。

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