【川口オート 全日本選抜】金子大輔が9年ぶり3度目のSG制覇 「いつもあの2人じゃ面白くない」

[ 2024年2月25日 18:50 ]

SG全日本選抜オートレースで優勝した金子大輔
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 埼玉県・川口オートレース場のSG「第37回全日本選抜」(優勝賞金1420万円)は25日、最終日12Rで0Mオープンの優勝戦(5100メートル=10周)を行い、金子大輔(43=浜松)が1周回2角で先頭を奪って、そのまま押し切り、15年全日本選抜以来となる9年ぶりのSG・3勝目をゲットした。人気を集めた鈴木圭一郎は2着、青山周平は5着に敗れた。

 ゴールの瞬間、握りこぶしを3度、スタンドに向けて突き出した。仲間の元へ戻ると「やった!でも怖いなー」。鈴木圭、青山を破っての9年ぶりの美酒。この瞬間をずっと目指してきたが、いざ実現すると、現実的でない感じがした。仲間に祝福され「こんなに気持ちのいいものかな」。ようやく笑顔があふれた。

 期するものがあった。「いつも青山、圭一郎に勝たれてきた。同じ選手として思うところがあった」。気が付けば、自分も40歳を超えている。選手のピークはいつまでだろうか。そう考えた時、自分のできることを精いっぱいやると決めた。

 休日はひたすら走った。減量にも努めた。今大会前も2キロ絞った。「やれることをやったらスタートラインで緊張しなくなった」。優勝戦前の出場選手紹介式で、ふと思った。「あと何回、この場に立てるのかな」。自分を過信せず、やれることをやって、結果を待つ。心身を極限まで整えた末にVがあった。

 レース中も冷静さを保とうと努めた。焦らないよう、ビジョンからあえて視線を外した。だが、つい見てしまうのが金子らしいところ。「残り7周というのを見ちゃって…。まだそんなにあったか、って…」。それでも焦らなかった。滑らないことだけ気をつけて、残る周回をエンジョイした。

 「たまには報われることもありますね。満点のレースでした」。ファンの前での優勝インタビューで改めて強調した。「青山、鈴木圭選手だけじゃオートレースはつまらなくなってしまう。誰が勝つのか分からないオートレースにしたいんです」。金子の意地がたっぷりと詰まった言葉だった。

 これで年末のSS王座決定戦トライアル戦の出場権を獲得。「年末の切符が獲れたことは大きい。最近、川口は相性がいいし、移籍しようかな」。最後はいつもの軽口で締めた金子。その目は自信に満ちあふれていた。

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