遊び心も「時と場合による」

[ 2023年9月10日 09:30 ]

デビュー50周年を迎える「あのねのね」の原田伸郎さんと。20代からずっとお世話になっている、大好きなトークの師匠です
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 【六車奈々のナナイロ馬券】私は、原田伸郎さんのゴルフ番組でトークを学んだ。鋭いアンテナと豊富なネタで、常に人を笑わせる伸郎さん。中でも面白かったのはこの話だ。

 若い頃、「あのねのね」のライブで、リハーサルとは違う曲をやった。ところが声が聞こえない。スタッフはマイクが故障したのかと慌てた。歌い終えた2人はマイクに向かって「マイク故障の歌でした」と一言。口パクにだまされた会場は大爆笑だったそうだ。

 私はこの話に「お客さまだけでなく、身内まで笑わせようとするなんて!」と感動した。番組でもリハのたびに違うネタで皆を笑わせる伸郎さん。「私もこんなふうになりたい!」と憧れ、トライするようになった。

 ある日、映画の撮影で大女優と一緒になった。リハは毎回変えるものだと思い込んでいた私は、毎回芝居を変えた。するといきなり怒鳴られた。「バカもん!何のためにリハをやってる!カメラも照明も、一番良い映像を撮るためだろ!」。しーん。現場は凍りついた。「すみませんでした!」。全くその通りだ。私は全ての人に謝った。リハでの遊び心は「時と場合による」ということを知った23歳冬であった。

 青藍賞は南部杯トライアル。水沢競馬場なので馬券のリハーサルにはならないが、参考にしたい一戦。私はもちろんゴールデンヒーラーから。3連単で(3)―(1)=(5)。各500円で計1000円。

 ◇六車 奈々(ろくしゃ・なな)1973年(昭48)12月2日生まれ、京都府出身の49歳。

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