「蹴り癖」馬の立場から考えたら

[ 2022年8月7日 05:00 ]

ひまわり賞なので、ひまわりの衣装!
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 【六車奈々のナナイロ馬券】競馬を見ていると、尻尾の付け根に赤いリボンを結んでいる馬がいる。競馬の仕事を始めて間もない頃、トレセンでリボンを着けた馬を見て「かわいい!」と言うと、関係者から「あれは蹴り癖のある馬に着ける目印だから、馬の後ろに行かないように特に気をつけないといけないのだよ」と教わった。

 そんな話をデビュー間もない福永祐一騎手に話したところ、こんな答えが。

 「そうだよ。でもさ、なぜ蹴り癖がつくようになったかを考えると、幼いときに怖い思いをしたとか、かわいそうな馬もいるんだよ」。目からうろこだった。「蹴り癖があるから危ない馬」は、人間側の意見だ。

 しかし「なぜ蹴り癖がついたのか」をひもといてみると、もしかしたら幼少期に身の周りで起きたことで、怖がりになってしまったのかもしれない。

 もちろん気性や気質もあるだろうし、蹴り癖ある全ての馬がそうだと言っているわけではないが「危険」といわれる馬を、馬の立場から考えて「かわいそうな馬」と言う福永騎手に感動したことを覚えている。

 「馬優先主義」とは、まさにこういうことだ。福永騎手の今の活躍は、こうした精神が根底にあるからだと思えてならない。

 岩手のオークス・ひまわり賞は村上騎手期待のレディジャンから。3連複軸2頭で(4)(10)から、荒れると期待して総流し。各100円で計1000円。

 ◇六車 奈々(ろくしゃ・なな)1973年(昭48)12月2日生まれ、京都府出身の48歳。グリーンチャンネル「岩手競馬Presents M,sTV」メインMC。

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