【エプソムC】アンノートル好調キープ、雨も歓迎 田中博師初重賞だ

[ 2019年6月7日 05:30 ]

<エプソムC・追い切り>ダノンチャンス(奥)と併せ柴田大知を背に追い切るアンノートル(撮影・郡司 修)
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 「第36回エプソムC」(9日、東京)に出走するアンノートルが6日、美浦Wコースで最終追いを行い、力強いフットワークを披露した。近4走で3勝の上がり馬が好調キープ。開業2年目の田中博康師(33)は自身6度目の挑戦で重賞初制覇を狙う。一方、栗東で木曜追いの昨年2着馬ハクサンルドルフは中1週でも好気配。ともに陣営は週末の雨予報を歓迎。波乱の使者となるか。

 アンノートルの追い切りを見守った田中博師が「じゃんじゃん雨が降ってくれればいいですね」と週末の天気を気にかけた。「3走前の中山が雨の重馬場。遊びながら、刺さりながらの勝利で上を狙えると期待できる内容だった。本来はそこまで速い上がりを使うタイプではないので雨はどれだけ降ってもいい。実績はないが、今なら1800メートルに延びるのもプラスに働くと思う」

 最終追いはWコースで併せ馬。ダノンチャンス(5歳1勝クラス)を3馬身追いかけ、直線馬なりのまま内から並びかけると力強い伸びを見せて同時ゴール。「前走くらいの出来にはあるが、まだ上積みがありそうな感じで今日の追い切りを迎えた。状態的にもうちょっと上げられると思う。やって良くなっていくタイプなのでこの1本で上がれば」。やや辛口ジャッジは期待の裏返しでもある。

 前走で1600万下を勝ったばかりだが、自厩舎に来てから6戦で500万からオープンにジャンプアップした上昇馬。強敵相手でも愛馬の成長力に大きな可能性を感じている。「脚部不安で長休明けの2戦は加減しながらの調整だったが、脚元が固まってきた今は当たり前にできるようになった。(転厩初戦の)510キロ(プラス30キロ)は重めと感じる出来も、今は同じ数字でも中身が格段に違う。重賞は甘くないけど勝てたらいい」と力を込めた。

 開業イヤーの昨年に13勝を挙げ同期の新人調教師でトップの勝率、連対率を記録した新進気鋭。今年8勝と、昨年を上回るペースで勝ち星を重ねながら「まだまだ」と自分にも厳しい姿勢を貫く。開業時には「凱旋門賞を勝ちたい」と堂々と宣言した。高い目標を掲げるだけに人馬とも現状に満足することはない。

 厩舎も馬も上昇気流に乗って迎える自身6度目の重賞参戦。蛟竜(こうりゅう)雲雨を得ば、ついに地中の物にあらず。恵みの雨を得て出世ロードを駆け上がるつもりだ。

 ≪JRA芝、産駒初制覇も期待≫アンノートルにはアイルハヴアナザー産駒初のJRA芝重賞制覇もかかる。12年米2冠馬の父は13~18年に日本で種牡馬として供用され、現在は米バレナビスタファームで種牡馬生活を継続中。産駒はアナザートゥルースが今年のアンタレスSでJRA重賞初制覇を果たしたが、芝重賞ではウインジェルベーラの17年函館2歳S2着が最高。

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