菜七子 19年JRA初勝利!減量“恩恵”手応えつかんだ

[ 2019年1月28日 05:30 ]

ファンにサインする藤田菜七子
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 鮮やかな逃げ切りで、菜七子が長いトンネルを抜け出した。27日の中京8R。「ゲートをポンと出てくれました。この馬のリズムで運べたのが大きかったですね。先行できたのが凄く良かった。最後まで頑張ってくれました」。ウイナーズサークルで待ち受ける大勢のファンの姿に、自然と笑みがこぼれた。 レース結果

 初コンビとなったコパノピエールで挙げた19年JRA初勝利。好発を決めて、楽にハナを奪った。道中は最内の経済コースをぴったり回り、後続に2馬身差をつけて直線へ。後方から横山武の1番人気ダノンディーヴァに猛追されたが頭差しのいだ。

 17日の名古屋競馬で今年初Vを手にした菜七子。中央では昨年12月2日の中山4R以来、実に96戦ぶりの勝利だ。1年目にJRA5勝目をつかむまで120連敗を喫したが、それに次ぐブランク勝利。「また次の1勝を目指して頑張るだけです」。連敗を止めた安ど感より向上心が上回った。

 JRA通算48勝目は☆(負担重量の1キロ減)で刻んだJRAでの初勝利ともなった。減量恩恵が△(同2キロ減)から☆になったことで、元ダービージョッキーで師匠の根本師は「減量恩恵の3キロから2キロの差は技術でカバーできる。だが、2キロから1キロは全く違う。同じ乗り方をしても“あれ?馬が伸びない”と感じる」と言う。菜七子も1キロの“重み”に苦しみ続けたが、自らの手でその重い扉をこじ開けた。

 女性騎手の新減量ルールの適用が3月からスタートする。現在、地方交流競走を含め54勝の菜七子は再びデビュー時の3キロ減で再スタートを切ることが濃厚。ただ、残りわずかな☆の期間で白星を積み上げることが、騎手としての信頼をさらに深めることになる。

 ◆藤田 菜七子(ふじた・ななこ)1997年(平9)8月9日生まれ、茨城県守谷市出身の21歳。16年3月5日、美浦・根本厩舎からJRAで16年ぶりの女性騎手としてデビュー。JRA通算1332戦48勝(27日現在)。1メートル57、45キロ。血液型A。

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