【スプリンターズS】ニードル春秋制覇!別次元末脚で天下統一

[ 2018年10月1日 05:30 ]

スプリンターズS スプリントG1春秋制覇を果たしたファインニードル(手前)=撮影・郡司 修
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 統一王者の誕生だ。「第52回スプリンターズS」が中山競馬場で行われ、春の高松宮記念を勝った1番人気ファインニードルが直線鋭く伸びて差し切り勝ち。史上5頭目の同一年スプリントG1春秋制覇を果たした。馬主は世界中で活躍するゴドルフィン。日本王者としての世界再挑戦が楽しみになってきた。

 これが王者の走りだ。ファインニードルは4角8番手。残り200メートルを過ぎても前とはまだ7〜8馬身差があったが、ここからが真骨頂。絶体絶命の場面から鮮やかに差し切った。「何とか届いてくれと。ただただ信じるだけでした」と川田。内にモタれながらも鞍上の右ムチに応えて一完歩ごとに差を詰める。重い馬場に苦しむライバルを1頭、また1頭とかわすと、最後は2番手から抜けたラブカンプーをきっちり首だけ捉えた。

 春の王者として迎えた大一番を制し、今年は全て芝1200メートルで国内4戦4勝。スプリント重賞年間4勝はグレード制導入の84年以降では初の偉業となった。高松宮記念(鼻差)に続いて接戦をものにした川田は「着差はわずかでも、しっかり勝ち切ってくれている。そこが一番(の長所)。国内に関しては負けていないので、胸を張ってスプリント界で一番強い馬だと言えると思う」と愛馬を称えた。JRA・G1通算12勝目となった川田は今夏には英国へ遠征し、ゴドルフィンの馬にも騎乗した。「ゴドルフィンの所有馬でG1を勝つことができて非常に光栄」と表情を引き締めた。

 G1初挑戦だった昨年(12着)のリベンジも果たした。高橋忠師は「昨年のレース後に別馬じゃないかと思うほど体が良くなった。今年一年でここまで力をつけてくれたし、まだ成長できるんじゃないかなと期待している」と誇らしげに話した。レース後の中山から直接、ミッドウェイファーム(茨城県)に放牧に出されたニードル。今後について師は「馬の状況を見極めながら決めたい」と語るにとどめたが、オーナーは世界のゴドルフィン。日本王者として世界に挑む可能性も大きい。

 春は香港G1チェアマンズスプリントプライズに挑み4着。師は「もし(香港に)行くことになれば、こちらの思いとしても違った形で行くことになると思う」と雪辱への思いをにじませ、川田も「目指すべきところに無事に歩んでいって、日本の短距離界の頂点としての強さを見せてくれればいいなと思います」とさらなるチャレンジへの期待を寄せた。5歳にして天下統一を果たしたニードル。遅咲きの名スプリンターの快進撃はまだまだ続く。

 ◆ファインニードル 父アドマイヤムーン 母ニードルクラフト(母の父マークオブエスティーム)牡5歳 栗東・高橋忠厩舎所属 馬主・ゴドルフィン 生産者・北海道日高町ダーレー・ジャパン・ファーム 戦績27戦10勝 総獲得賞金4億9141万3600円(戦績、賞金共に海外含む)

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