【函館記念】藤岡佑 アンセム重賞初V導いた!夏好調11勝目

[ 2018年7月16日 05:30 ]

函館記念を制したエアアンセム(左)。右は2着のサクラアンプルール
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 今年も荒れた!!函館の夏を彩る名物重賞「第54回函館記念」が15日、函館競馬場で行われ、藤岡佑介(32)騎乗の5番人気エアアンセムが好位から伸びて重賞初V。今夏サマー2000シリーズは8日の七夕賞(メドウラーク)に続き、7歳馬が連続V。2着に7番人気サクラアンプルール、3着に13番人気エテルナミノルが入り、3連単57万1480円の高額配当となった。福島メイン「バーデンバーデンC」は藤岡佑と同期の津村明秀(32)騎乗の3番人気タマモブリリアンが快勝。04年デビュー組の同期の“競演”となった。

 好調男・藤岡佑に導かれて、かつての“クラシック候補”エアアンセムがついに開花した。スタートを決めた鞍上に迷いはなかった。積極的に4番手で進め、直線を向くやゴーサイン。粘るエテルナミノルを残り1Fすぎで抜き去ると、返す刀でサクラアンプルールの猛追を半馬身差で振り切った。通算27戦目、7歳夏にしての重賞初V。右手で高々とガッツポーズの鞍上には、西南西8メートルの強風も心地良かったに違いない。

 「うれしいです。エプソムC(5着)はオーナーにお叱りを受けて…。今日は褒めていただけると思う」。藤岡佑は爽やかな笑顔で切りだした。3コーナーで下げざるを得なかった前走とは一転し、完全燃焼。「他馬は考えずに自分のポジションで運べた。いい枠(6番)をもらったし、スタートも決まったので前へ。3〜4コーナーの手応えも抜群。あとは自分がどうさばくかだけだった。最後は詰め寄られたが、手応えはあった」と騎乗3戦目の好結果を喜んだ。

 管理する吉村師にとっても最高の美酒だ。2歳時は新馬→ホープフルS連勝。G1候補の呼び声も高かった。3歳秋に馬を譲り受け、転厩21戦目での重賞タイトル。5歳秋から6歳秋にかけては、軽度の屈腱炎で約1年間の長期休養もあった。指揮官は「ジョッキーが最高に乗ってくれた。前めのいい位置で運んでくれた。佑介は函館を熟知しているから。元々、肉体的なポテンシャルは高い馬なので」と人馬を称えた。

 充実の32歳。鞍上の好リズムも際立っている。5月NHKマイルC(ケイアイノーテック)で悲願のG1初制覇を飾ると、6月24日には函館でJRA通算700勝達成。函館記念は08年トーセンキャプテン以来、10年ぶりの制覇。藤岡佑は「いい夏を過ごせている。秋につなげたい。それに何とか(函館)リーディングにも、食らい付いているので…。もう1週頑張りたい」と目を輝かせた。首位のルメール(14勝)とは3勝差の11勝。22日閉幕の函館リーディングも見据えている。

 一方、相棒のアンセムはひと足早く夏休みに入る予定。吉村師は「結構レース数を使ってきたし、脚元のこともある馬なので。札幌記念は見送り、秋に備えたい」と指針を明かし、「休んだ期間がある分、馬の気持ちは7歳でもまだ若い。まだやれる」と実りの秋を見据えた。好調男から贈られた“函館土産”を手に、さらなる進撃を狙っている。

 ◆エアアンセム 父シンボリクリスエス 母エアマグダラ(母の父サンデーサイレンス)牡7歳 栗東・吉村厩舎所属 馬主・ラッキーフィールド 生産者・北海道千歳市社台ファーム 戦績27戦5勝 総獲得賞金1億6991万8000円。

 ◇藤岡 佑介(ふじおか・ゆうすけ)1986年(昭61)3月17日生まれ、滋賀県出身の32歳。栗東所属のフリー。04年3月13日の中京(アスカクイーン)で初勝利。JRA通算8663戦708勝(重賞30勝)。父・健一はJRA調教師、弟・藤岡康太は同騎手。1メートル65、52キロ。血液型B。

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