豪ジョッキー川上、豊と同じ世界基準に

[ 2018年4月6日 05:30 ]

 【競馬人生劇場・平松さとし】先週はドバイワールドCを観戦するためドバイへ行っていた。ここで約4カ月ぶりに顔を合わせたのが川上鉱介(36)だ。川上の本職はジョッキー。オーストラリア、メルボルン地区で障害に騎乗している。

 彼と出会ったのは数年前。明るい性格と一本芯の通った考え方が気に入り、すぐに意気投合。私がメルボルンへ行く際は、家に泊めてもらう仲になった。

 そんな彼は将来設計もしっかりしており、オーストラリアで日英の通訳の国家資格を取得。私も個人的に彼をノーザンファームに紹介し、仕事してもらった。それが縁で彼の日本競馬界とのつながりも広がり、各オーナーや調教師、騎手との間にもパイプができた。

 そして、その延長で今回のドバイには須貝厩舎から声が掛かり、オーストラリアからドバイへ遠征。ゴドルフィンマイルに挑戦したアディラート陣営のサポートをした。アディラートは昨年はUAEダービーに出走したが結果は12着。今年は一転して3着に好走。管理する須貝師も「頑張ってくれました。今回は満足です」と語った。川上は「須貝先生や先生を紹介してくださった方をはじめ関係者の皆さんのおかげで僕も良い経験ができました。感謝しかありません」と語った。

 レース後のことだ。私が武豊騎手と食事をしているとたまたま彼から電話が入ったので、この席に呼んでよいか日本一の騎手に伺った。すると、日本でも一度、紹介済みだったこともあり「大歓迎」と答えていただけ、川上も駆け付け、その席で彼は言った。「立場は全然違うのでおこがましいですけど、豊さんのように世界を舞台に働けるような人間になりたい」

 オーストラリアへ帰った彼が、今後さらにワールドワイドの活躍をできるよう、期待したい。(文中敬称略)

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2018年4月6日のニュース