【桜花賞】プリモ、夢を運ぶ 楠助手、父の教えを胸に初G1へ

[ 2018年4月6日 05:30 ]

桜花賞で自身初のG1制覇を狙う楠助手とプリモシーン
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 プリモシーンと大舞台に臨む木村厩舎の楠友広助手(34)は尊敬する父に近づくべく、担当馬初のG1制覇を目指す。

 プリモシーンで桜花賞制覇を目指す楠助手の父は、公営・船橋競馬の楠新二厩務員(佐藤太)。交流G1・4勝、JRA重賞の97年東海ウインターS(当時G2)も勝ったアブクマポーロなどを手掛け、重賞は30勝以上。今年はJRAから移籍したリッカルドとのコンビで重賞2連勝中と、65歳の今も現役バリバリの名厩務員だ。「フェアリーSを勝って少し追いついたと思ったら、(重賞連勝で)またあっという間に離された」と楠助手は笑う。「勝ちたいけど、一生勝てないぞと言われているみたい。父にはそういう人でいてほしい」と微妙な胸の内を明かす。目標は高ければ高いほど目指しがいもあるからだ。

 父とは馬の話もするし、仕事ぶりも見ているが、そう簡単に勝利の方程式は見つからない。「質問して返ってくる答えは自分も勉強したこと。だが、質がもっと高いのか。馬との接し方が違うとも感じる。昔から凄いと思うのはどの担当馬に関しても自信満々。その姿勢は馬にもいい影響を与えると思う」。

 接し方については、プリモシーンを担当する上でも生かされている。初の追い切りにまたがった時に「普通はオドオドしたりするものだけど、いきなり凄く動けた。これは凄い」と感じた。ただ、手入れ時などはおとなしいが一度スイッチが入ると激しい気性が顔を出すのが課題だった。「頭の柔軟性をつくるように、いかにオフをつくってあげるかを大事にしてきた。精神的に成長してくれれば、より質の高い調教ができるようになる」とここまでのプロセスを説明する。

 4日の最終追い切りは、3頭併せで道中はタメをつくりながら直線内から伸びて1馬身先着。「中間は道中のコントロールをテーマにやってきた。勝手に走らなくなってきたし、今週はしっかり反応して課題を克服。まだまだ伸びしろはあるが、その中でも精神面の成長は大きい」と手綱を通して伝わる手応えは十分だ。

 厩舎、そして自身にとってG1初制覇が懸かる一戦。「相手は強いけれどかなり楽しみにしている」。担当馬に自信を持つ。父の教えを胸に仁川に乗り込む。

 ◆楠 友広(くすのき・ともひろ)1983年(昭58)4月28日、千葉県生まれの34歳。美浦・木村厩舎所属。高校卒業後は千葉県白井市の西山牧場で働き、26歳でJRA厩務員になった。13年から木村厩舎所属。木村厩舎では15年フラワーC、スワンSを制したアルビアーノ、17年オークス6着のフローレスマジックなどを担当。16年菊花賞ではシュペルミエール(6着)でベストターンドアウト賞を受賞した。

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2018年4月6日のニュース