【東京新聞杯】西浦厩舎“期待の星”ムーン、巻き返し手応え

[ 2017年2月3日 05:30 ]

ボリード(右)と追い切られたブラックムーン
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 勢いに乗っている。開業21年目の西浦厩舎が8勝を挙げて、全国リーディングを快走中。とりわけ10頭の大攻勢をかけた先週は4勝の固め勝ちだった。報道陣に囲まれた指揮官は「暮れに人気で勝てなかった馬が、ここに来て勝っているだけだよ」とうそぶくが、さすがに表情は明るい。

 「うまくいっている感じはあるね。明け3歳馬がたくさん勝っているから、この馬たちがクラシックに出られるんじゃないか、という期待がある。その分、(在厩馬の)入れ替えが大変だけど、それもまたうれしいことだね」

 騎手時代の84年にはカツラギエースとコンビを組み、日本馬としてジャパンCを初制覇。“世界の西浦”と称された指揮官は、65歳となった今も衰えぬ情熱で、愛馬の一挙手一投足に目を凝らす。そして、馬だけではない。若手中心のスタッフのチームワークも指揮官の自慢だ。

 「若い子たちのやる気を凄く感じる。それはホッコータルマエの存在が大きかったんじゃないかな。自分もああいう馬を育てたいという思いで仕事に取り組んでくれているし、お互いに助け合っている。その上で幸や優作(国分優)のように調教を手伝ってくれているジョッキーで勝てれば…。うまくいかないことも多いけど、それが理想だね」

 今週も勝ち負けを意識できる5頭が控えている。エース格は東京新聞杯のブラックムーン。トレーナーの意に反して中団からの競馬となった前走京都金杯(9着)は度外視。「今回は後方から、と指示を出すよ。2走前が強い勝ち方だったし、この馬の競馬でどれだけやれるか楽しみ」と巻き返しに手応え。もちろん、新馬のディープインパクト産駒ボリードはデビュー勝ちの期待大。来週のデビューを予定しているカワカミプリンセスの3番子、ハルノヒダマリ(父エンパイアメーカー)も「この時期のデビューならクラシックに間に合う」と口にするほどだから、母譲りの非凡な能力を秘めていそうだ。

 “勢いに乗っている”だけではない。人馬に逸材のそろった西浦厩舎が、今年の競馬界を大いに盛り上げる。

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2017年2月3日のニュース