GRANDE5 一番乗りは誰だ

[ 2016年3月8日 05:30 ]

特設サイト「Road to THE GRANDPRIX」

 格式の高い5大SG競走、クラシック、オールスター、メモリアル、ダービー、グランプリが熱い。5大競走全てを制した者には3億円相当の金塊贈呈が昨年発表されたが「GRANDE5」の称号が授与されことが決定。ラテン語で「偉大な」の意味を持つ新たな称号を競うことになるが、トップレーサーの動向を追う特設サイトも充実。グランドスラマー一番乗りは誰だ!

 ~3億円相当のインゴットを贈呈~
 レースにはいつくかのグレード(格付け)がされているが、その最高峰がSG(スペシャルグレード)と呼ばれる高額賞金のレースになる。

 その中でも格式の高い“5大SG競走”とされているレースがクラシック、オールスター、メモリアル、ダービー、グランプリになる。

 14年5月のオールスターから5大SG競走の優勝戦1~3着選手にメダル表彰制度がスタートされ、同時に今後5大SG競走を全て優勝したグランドスラマーには3億円相当のインゴットが贈呈されることが発表された。そして、この5大SG競走をさらに盛り上げる新たな企画として『GRANDE5(グランデファイブ)』の称号が授与されることになった。

 5大SG競走を説明しよう。新たに新設されたグランプリ以外のクラシック、オールスター、メモリアル、ダービーはグレード制が導入される以前から存在する歴史ある競走になる。

 クラシック(総理大臣杯)の第1回大会は66年(昭41)。出場資格は前年のSG、G1、G2の優勝者と優勝回数上位者。この権利を巡る白熱したV争いは年末の風物詩にもなっている。

 74年(昭49)に新設されたオールスター(笹川賞)の出場資格はファン投票。出場選手は「投票してくれたファンに恩返し」をテーマに熱い走りを繰り広げるのだ。

 歴史あるメモリアル(モーターボート記念)の第1回は55年(昭30年)。出場選手は開催地を除く各レース場と開催施行者の推薦によるもので“ボートレースの甲子園”として親しまれている。

 最も古いのが53年(昭28)に開催されたダービー(全日本選手権)。出場資格は前年8月から当年7月までの勝率上位者。毎レースが勝負のシンプルな選考システムということもあり、これを目標とする選手は多い。

 一年の総決算が86年(昭61)に新設されたグランプリ(賞金王決定戦)。当年1月から11月の賞金ランキング上位18人で優勝賞金1億円を争う最高峰のSGレース。

 ◆守田俊介 初代称号いただき
 ~心優しき天才レーサーに昨年ようやく春~
 遅咲きの天才が今年、かつてない闘志を秘めてSG戦線に臨む。守田俊介(40)は昨年のダービーでSG初V。賞金ランクを一気に上げ、初めてチャレンジCのドリーム戦に選出された。さらにグランプリにも初出場。デビュー22年目で、ついに頂上決戦の舞台にたどり着いた。そして、この経験が守田の心を変えることになる。

 「最初は“自分がどれくらい通用するのかな”くらいにしか考えていなかった。でも実際に行ってみたら“この雰囲気いいな”って思えた。あのポジションでチャレンジCに行けたことも誇り高かったし、またグランプリに出たくなった」

 トップ18に入るには、賞金が高いSGで活躍するのが最短ルート。守田も当然、それを狙っている。「ダービーを勝ったことで、これまで味わったことがない経験ができた。またSGを勝ちたいという欲が出てきたし、SGで賞金を積み重ねたい」。ビッグレースに照準を定め、年末の出場切符をつかみ取る構えだ。

 守田を奮い立たせるものは他にもある。ダービーの優勝賞金3500万円を東日本大震災の被災地に寄付したが、レースの合間を縫って宮城県を訪問。直に被災者と触れ合うことで「まだ多くの人が大変な状況で生活している。自分の頑張りはまだまだ足りない」と痛感した。さらなる高みを目指す気持ちが自然と沸いてきたのだ。

 手に入れた優勝メダルはまだ一つ。グランドスラムへの道のりは長いが「3億円の金塊をもらったら?びわこボートで展示したい」と笑う。ついに覚醒した大器なら、この壮大な計画を実現してくれるのではないだろうか。クラシックも守田の走りに注目が集まる。

 【GRANDE5に近い選手たち】
 ◆菊地孝平 ハートの強さ◎
 5大競走グランドスラム達成者に3億円相当の金塊。この制度が発表された直後のSG、第41回オールスターを制したのが菊地孝平だ。2コースからコンマ09のトップS。イン戦の今村豊にプレッシャーを与えつつ鋭い差しで自身3度目のSG制覇を達成した。
 その後、地元浜名湖のグラチャンでSG連覇。ダービー、チャレンジC、グランプリを優出するなど14年は圧倒的な強さを見せた。近況は機出しに悩みスランプ状態だが、ハートの強さはトップ級。必ず頂点を争う舞台に戻ってくるだろう。

 ◆白井英治 ドラマチックV
 コンマ00のタッチスタートから2コースまくりをサク裂。若松の第60回ボートレースメモリアル優勝戦。デビュー17年3カ月の白井英治が自らの度胸とテクニックで栄光をつかんだ。インには同県の後輩、谷村一哉。先輩としての意地だけでなくSG優勝戦13連敗でもう負けられないといった決意が垣間見えたドラマチックな優勝戦となった。昨年はSG優出なしに終わったが、今年は徳山の正月開催を皮切りに2V。尼崎周年での準優勝など幸先のいいスタートを切っており、今年は大暴れの予感。

 ◆茅原悠紀 超絶旋回で頂点
 14年のグランプリ。大外6コースから差し抜けたのが、かねてからターンテクニックで注目されていた茅原悠紀。5度目のSG優勝戦で1億円を獲得すると同時にボート界の頂点へ上りつめ、若手エリートで結成されている“ニュージェネレーション”のトップに立った。

 15年の5月には津周年でありえない位置から追い上げて優勝。今年は地元児島の正月開催でインから吉田拡郎の攻めを許し5着に終わるも尼崎の一般戦では4コースから一撃を決めて名誉挽回。今年もまたニュージェネ旋風が吹き荒れるのか。

 ◆桐生順平 新時代の扉開く
 桐生順平(29=埼玉)はちょうど1年前の尼崎クラシックで念願のSGウイナーとなった。第1回ヤングダービー(14年9月、戸田)制覇から6カ月後のこと。巡ってきたチャンスをものにし、新時代の扉をこじ開けた。スピード抜群のコーナー戦を得意とするターンの申し子。G1復帰戦となった2月の関東地区選手権では、優勝戦でタッチスタートを決めてまくり差し一閃。通算2回目のG1優勝、初の関東No・1の座に就いた。次はグランプリのファイナリストを射止める。

 ◆仲口博崇 無冠の帝王返上
 14年10月のとこなめダービーを制したのが仲口博崇(43=愛知)だ。伝説となったエース1号機を仕上げ、予選1位から王道V。優勝戦はインを押し切り、のちのグランプリ覇者となる茅原の猛追をしのぎ切った。苦節23年。師匠の大嶋一也の前で「無冠の帝王」を返上する、うれしいSG初戴冠となった。2月の東海地区選手権(蒲郡)では、通算3度目の東海チャンプの称号を手にした。「今回は忘れることのできないタイトル」と純地元水面での初G1奪取を喜んだ。

 ◆山崎智也 GP有言実行V
 昨年、5大競走のオールスターとグランプリを含むSG3Vを達成し文句なしのMVPに輝いた山崎智也。全てイン戦からの王道V。特にオールスターの3連単配当690円はSG優勝戦史上最低配当。絶好調の山崎ほど頼れるものはない。グランプリでは愛娘の誕生を祝って有言実行V。

 今年の関東地区選では大外から準優勝戦を2着で突破し優勝戦進出。優勝戦は4着に終わったが、大会を盛り上げる役目は十分に果たした。スター性を兼ね備えたボート界の超エースなのだ。

 ◆篠崎元志 ジンクス破った
 篠崎元志(30=福岡)は15年の蒲郡メモリアルV。12年のグランプリ(GP)シリーズ(住之江)以来通算2回目のSG優勝は、「GPシリーズでSG初優勝を飾った選手は2度とSGを勝てない」のジンクスを打ち破る価値ある戴冠となった。優勝戦は峰竜太とのニュージェネレーション同士による一騎打ち。2周1Mで再逆転し、艇史に残る名勝負を制した。2月の九州地区選手権(大村)は優勝戦ポールポジションから惜敗したが、次節のまるがめで16年初V。イケメン旋風は続きそうだ。

 【特設サイトがオープン】
 ~「GRANDE5に最も近い選手が一目瞭然~
 「GRANDE5」を盛り上げる特設サイトがきょう8日からオープンする。対象5SGの歴代優勝者が一目で分かる作りになっているうえに、「メダルホルダー一覧」では獲得メダル数の多いボートレーサー順に表示されるので、誰が「GRANDE5」の称号に最も近いのかが一目瞭然だ。グランプリの特設サイト「Road to THE GRANDPRIX」とも相互リンクしているため、レース回顧や優勝戦VTRも簡単に見ることができる。対象5SG終了翌日に更新されるので要チェックだ。一番早くグランドスラムを達成するのはいったい誰なのか!?早速アクセスしてみよう。

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