【スプリンターズS】ベルカント 勢いもスピードもノリノリ満点!

[ 2015年10月1日 05:30 ]

坂路単走で好時計をマークしたベルカント

 秋のG1シリーズの幕開けとなる「第49回スプリンターズS」の追い切りが30日、美浦、栗東トレセンで行われた。栗東組で目を引いたのは夏のスプリント女王ベルカント。単走でもスピード感たっぷりな動きを披露し、充実ぶりをアピール。金字塔となる武豊(46)の重賞300勝も見えてきた。

 サマースプリントシリーズ優勝の勢いに乗ってG1へ。ベルカントが坂路単走で絶好の動きを披露した。いつも通り開門から40分後に馬場入り。右側のラチ沿いに進路を取り、弾むようなフットワークで駆け上がっていく。4F52秒1、スピードに乗ったラストは11秒7。動きを見届けた角田師は満点ジャッジだ。

 「追い切りになると右にササるところがあるし、馬が少ない時間帯に右側のラチ沿いへ。楽な感じで気持ち良さそうに走らせることができました。ここ2走と比べると時計がかかる坂路で、これだけ動いたし、自信を持って出せます」

 今年に入ってからシルクロードS12着、初ダートに活路を求めたコーラルSも13着と2桁着順の惨敗。状態の良さが結果につながらなかった。そこで角田師は放牧先と話し合い、稽古を強化して鍛え上げる策を選択。気持ちを高める狙いもあり、それがここ2走(アイビスSD、北九州記念)の連勝につながった。

 追い切りや実戦でピリッとスイッチが入っても普段は余計な力を使わない。オンとオフの切り替えがきちんとできるからこそ、しっかり乗り込めた。「ドンと構えているし、気にすることなく輸送できる」と角田師。決戦の準備は整った。バトンを託される武豊も期待を膨らませている。

 「もともとスプリンターとしての能力はあったし、それを生かせるようになってきましたね。去年(5着)もいいレースはできたけど、この馬の癖の一つで右に行くところがある。だから(左回りの)新潟で開催されたのは不運でしたね。あのときに来年は楽しみだなと思ったんです」

 角田師の出身地が鳥取県ならベルカントの放牧先・大山ヒルズも鳥取県内にある。その縁もあってこの日、鳥取県から取材に来ていたテレビのスタッフに共同会見で意気込みを問われた武豊は「鳥取のために頑張ります!」とカメラに向かって笑顔でサービス。雰囲気は最高にいい。チーム・ベルカントが一丸となってスプリント路線の頂点を目指す。

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