【安田記念】モーリス、折り合い重視で12秒5!先輩リアルと共演狙う

[ 2015年6月5日 05:30 ]

併せて追い切った堀厩舎のモーリス(左)とリアルインパクト

 春のマイル王決定戦「第65回安田記念」の木曜追い切りが4日、美浦トレセンで行われた。先週のダービーをドゥラメンテで制した好調・堀軍団が豪華併せ馬を敢行。現在3連勝中のマイル界の新星モーリスが余力十分に充実をアピールすれば、4年前の安田記念優勝馬リアルインパクトも先輩の貫禄で負けじと半馬身先着。ワンツー共演も夢ではない絶好の動きだ。なお、同レースの出走馬が確定、枠順は5日に決まる。

【安田記念】

 モーリスはWコースで同じ安田記念に挑む先輩リアルインパクトと豪華な併せ馬。1馬身追走し、直線は内へ。4F52秒9~1F12秒5。結果は半馬身遅れだった。先輩に花を持たせたのか?もちろん、NOだ。

 堀師の笑顔を見れば、一目瞭然。「折り合いとハミ受けに課題があるので、そこをまず確認。やり過ぎないことが、重要なポイントだった。量としては良かった」。言葉通り、ピッチを上げた4F手前からゴールまでスムーズに制御し、完全な馬なり。相手を抜き、見栄えを保つより自らのリズムを最優先した。柔らかで迫力満点の脚さばきが、充実を体現している。

 昨年5月の白百合S3着後に休養。その後、関西から転厩してきた。指揮官は「長期の休みでリフレッシュしていたが、背腰の痛みがウイークポイント。ケアの方が第一だと思った」と細心の注意を払った。一方で「フットワークはもともといい馬だったと思う。ヤル気があり、いつも一生懸命に走る」と長所も見抜いていた。転厩初戦の1月若潮賞を楽勝。3月スピカS、4月のダービー卿CTは直線一気で破竹の3連勝。特に、前走は急坂のある中山では規格外の上がり1F10秒9。それでも、同師は「中山なので、本当は馬混みで良い位置での競馬を考えていたが、やはり後ろからに…。結果は良かったが、意図した乗り方と違った」と課題も忘れなかった。

 追い切り後は時間を割いて、ゲートの駐立を確認。課題の折り合いも改善してきた。「まだ良くなる余地はあるが、能力を出せる出来には仕上がった。(東京マイルは)ワンターンで折り合い面についてはやりやすい。流れの中で決め手をどこで生かすか?立ち回りは難しい。ゲートは調教でも改善しているので、どの枠でも対応してくれると思う」と指揮官。粗削りでも、決め手は紛れもなくG1級。ダービー制覇で勢いに乗る堀厩舎に現れたマイル界の超新星。広大な府中の直線が、モーリスの勢いをさらに加速させる。

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