【東京新馬戦】オレデヨケレバ 伊藤正師のレコードと同名馬デビュー

[ 2015年6月5日 05:30 ]

伊藤正師のEP「おれでよければ」

 今週から東西で来春のクラシックを目指す2歳新馬戦がスタート。土曜東京5Rで話題を集めているのがオレデヨケレバ(牡=伊藤正、父ストーミングホーム)だ。小さな馬体を大きく見せながらデビューを待つこの2歳馬の名前、昔どこかで聞いたことがあるような…。

 ♪風の便りに うわさ聞いたよ…俺でよければ…。昔懐かしい演歌を口ずさんでみると、厩舎の洗い場にたたずむ2歳馬が不思議そうに耳をこちらへ向けてきた。「君の名前だよ」と語り掛けると、うれしげにニッと笑ったように見えた。

 「おれでよければ」(作詞作曲・四方章人)は、伊藤正徳師(66)が騎手時代に吹き込んだEP盤(45回転シングルレコード)のタイトル名。ラッキールーラとコンビを組み28歳でダービージョッキーに輝いた3年後の80年、ワーナーパイオニアから発売され、知名度とプロ顔負けの歌唱力でたちまち10万枚を売り上げた。「大本命盤」と記され、シルバーディスク賞も受賞した名曲。馬主のミルファーム・清水敏社長が伊藤正厩舎に入厩させる持ち馬をこの曲名にちなんでネーミングした。

 「いや、お恥ずかしい限り。穴があったら入りたいですよ」。伊藤正師は赤面するあまり、同馬のフルネームを避けて「ヨケレバ」と呼んでいるが、動きは決して恥ずかしくない。410キロ台の馬体を大きく見せる弾むようなフットワーク。「入厩して5週間、与えた課題をしっかりクリアしてきた。強い調教を課してもガクッとこない」(同師)。3日の最終追いでは北C(ダート)コース5F69秒1、ラスト1F12秒5でデビュー態勢を整えた。

 伊藤正厩舎にはミルファーム所有の2歳牝馬カタスミ(父ディープスカイ)も入厩予定。こちらは78年にポリドールから発売した同師のデビューシングル「かたすみ」から名付けた。昭和の競馬ファン思い出の名曲が蹄音とともによみがえる。

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