【大村オールスター】智也、2年5カ月ぶり8回目SG優勝

[ 2015年6月1日 05:30 ]

インを押し切り、優勝した1号艇の山崎

 ボートレース大村のSG「第42回ボートレースオールスター」は5月31日、最終日12Rで優勝戦を行い、1号艇の山崎智也(41=群馬)がインを押し切り、12年のグランプリ(住之江)以来、2年5カ月ぶり8回目のSG優勝を飾った。オールスターは98、06年に続いて通算3V。優勝賞金3500万円(副賞含む)を加算し、優勝戦6着の桐生順平(28=埼玉)を抜いて賞金ランクのトップに立った。なお、優勝戦の3連単配当(690円)はSG優勝戦史上最低配当となった。

 41歳の春。バカボンのパパと同じ年になっても智也は格好良かった。ゴールの瞬間、右手の指を3本立て、オールスター3Vを表現。出迎えた後輩・毒島とハイタッチを交わした。

 優勝戦のスタートタイミングは特別早くもないコンマ17。それでも悠々と先マイ。差した太田をあざ笑うかのように突き放した。今節の山崎を象徴する勝ち方だった。差せそうで差せない。山崎を意識すればするほど、術中にハマっていく。4日目から3日連続、山崎はまさにひょうひょうと逃げた。「9割勝てると思っていた。1号艇のプレッシャーを楽しもうと思い(最終日は)一日楽しかった。年々、大舞台が楽しくなってくる」。気持ちの整え方が違いすぎた。1号艇で、これだけ冷静に乗られてはライバルはお手上げだ。「(優勝賞金でオンラインゲームの)ドラクエ10の防具でも買おうかな」。会見ではオタクな一面をのぞかせる余裕も見せた。

 オールスター制覇はこれで3回目。ファン投票3位にしっかり応え、12年グランプリ以来のSG制覇。衰えるどころか強さは凄みを増している。「嫁さんと子供のおかげ。結婚してうなぎ上り」。元選手の妻・奏恵さんの存在に感謝した。MVPを獲得した翌年(13年)、“燃え尽き症候群”的なスランプに陥った。「このままの状態が続くなら選手を辞める」。奏恵さんにそう約束して退路を断った。そこから劇的復活。14年以降G1を7つも獲り、新たな智也時代を引き寄せた。

 毒島、桐生、茅原ら新世代の台頭は急だ。しかし、それも智也は柔らかく受け止める。「新田に“ニュージェネレーションに入れて”と言ったら笑ってた。だから僕もニュージェネです」。これで賞金ランク首位、2年連続グランプリシードの6位以内は濃厚。自然体を武器に、智也時代はまだまだ続く。

 ◆山崎 智也(やまざき・ともや)1974年(昭49)3月11日、群馬県生まれの41歳。71期として92年、桐生で初出走。同期は馬袋義則、海野ゆかり、深川真二ら。94年、平和島タイトル戦で初優勝。97年からつダービーでSG初優出初優勝。通算成績4752戦1539勝。優勝76回(G128、SG8)。妻は元選手の(旧姓横西)奏恵さん。1メートル66、53キロ。血液型A。

 ◆次走 優勝した山崎智也、そして服部幸男、桐生順平の次走は6日からの若松G1全日本覇者決定戦。今村豊、田中信一郎、松井繁らと優勝を争う。太田和美は7月4日からの桐生一般戦。杉山正樹、毒島誠、新田雄史らが出場。丸岡正典は4日からの児島G3企業杯。平石和男、田村隆信、森永淳らが相手。池田浩二は4日からの津G2MB大賞。浜野谷憲吾、辻栄蔵、菊地孝平らとV争い。

 ◆繰り上がり 山崎のオールスター優勝により、西山貴浩(28=福岡)が繰り上がってグランドチャンピオン(23~28日、宮島)に出場する。

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