【日本ダービー】ドゥラ2冠!凱旋門勝てる ミルコ「この馬なら…」

[ 2015年6月1日 05:30 ]

圧巻の走りでダービーを制し2冠を達成したドゥラメンテ

 世界を狙えるスーパーホースの誕生だ。競馬の祭典「第82回日本ダービー」が5月31日、東京競馬場で行われた。1番人気に支持された皐月賞馬ドゥラメンテが中団から鮮やかに抜け出して優勝。12年生まれのサラブレッド6897頭の頂点に立ち史上23頭目のクラシック2冠馬となった。優勝タイム2分23秒2はダービーレコード。また堀宣行師(47)は3度目の挑戦で「ダービートレーナー」の称号を手に入れた。

【レース結果】

 単勝1・9倍という高い支持率ですら、過小評価だったかもしれない。ウイニングランを終えて検量室前に戻ったミルコ・デムーロは「凄い走る、凄い切れ、素晴らしい」。すっかり慣れた日本語で、楽々と2冠を達成したパートナーを絶賛した。

 音楽用語で「荒々しく」という馬名通り、4コーナーで大きく外へ斜行しながら豪快に突き抜けた皐月賞。そこからわずか1カ月で「優等生」に変身した。スタートが良過ぎて1コーナーまでは少し行きたがったが、2コーナーで早くもピタリと折り合った。「いいポジションを取れたし、あとは楽だった」とミルコが振り返った通り、抜群の手応えで最後の直線へ。鞍上がゴーサインを送ると強烈に反応して楽々と抜け出した。父キングカメハメハが04年にマークしたレースレコード(2分23秒3)を0秒1更新し、大接戦となった2、3着馬に1馬身3/4という決定的な差をつける完勝劇だ。

 調教でもレースでも、馬場入り時などに首を振って暴れる激しい気性の持ち主。しかし、この日は装鞍所からパドックと平常心を保ち、大歓声のスタンド前発走にも動じることなくスムーズにゲートイン。最初から最後まで、危ういシーンは全くなかった。

 「“荒々しい”と言われたが、我々スタッフとしては、手に余しているようで恥ずかしいと気にしていた」と本音を明かした堀師。「きょうは荒々しくなかったと思うけど、どうでしょう?」と胸を張った。

 同世代のライバルとは別次元の強さを見せつけた2冠馬は凱旋門賞(10月4日、仏ロンシャン競馬場)に登録済み。堀師は「個人的には、もう少し完成してから行きたい気持ちもある」と慎重な姿勢だが、デムーロは「まだ日本馬が勝っていないレース。もちろん僕も勝ちたいし、この馬ならチャンスがある」と好勝負に太鼓判を押した。

 課題を短期間でクリアしたことで学習能力の高さも実証。「順調に育てていきたい」と堀師が言うように伸びしろも十分。いったい、どこまで強くなるのか。この馬なら、ディープインパクトも、オルフェーヴルも、果たせなかった“世界制覇”を必ず成し遂げてくれるはずだ。

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