【天皇賞・春】アドマイヤデウス、重賞連勝の勢い!抜群加速12秒4

[ 2015年4月30日 05:30 ]

坂路で追い切られたアドマイヤデウス

 午前6時。調教開始時刻と同時に、真っ先に栗東坂路に入ったのがアドマイヤデウスだった。蹄跡のない静水面のようなコースを独占しながら、気持ち良さそうに四肢を伸ばす。最初の1Fを15秒1でクリアすると、馬なりのまま約1秒ずつラップを縮め、ラスト1Fは12秒4まで自然と加速。坂路の1番時計(4F51秒1)をマークした1週前追いほどの派手さはないが、レース直前はこれで十分。手綱を取った橋本助手も「リズムのいい走りで反応も良かった。これ以上求められないくらい状態はいい」と声を弾ませた。

 動きを見守った橋田師も「1週前に強い調教をやったので、しまいを伸ばす調整程度だが、いい動きだった」と満足そうな笑みを浮かべた。昨春は若葉Sを制し王道クラシックに駒を進めたが、ダービー(7着)のレース中に左前脚を骨折、秋は全休を余儀なくされた。7カ月半ぶりだった1月の日経新春杯を快勝。続く日経賞も制し重賞連勝と、勢いなら一番の存在だ。師は「入厩当初から素質を感じていた馬。骨折は想定外だったが、ひと回り大きくなって戻ってきた。馬もしっかりして、精神面でも大人になった」と話す。

 3200メートルはデウスにとって未知の距離だが「ムキになって走る馬ではないので、それほど心配していない。おばあさんも長い距離を走ったからね。本当にいい血統だよ」と師。自らが管理した祖母アドマイヤラピスは現役時、3000メートルの嵐山Sを勝ち、3600メートルのステイヤーズS2着の実績がある。一族の大半を手掛けている思い入れの強い母系でもある。

 昨春から手綱を取り続ける岩田にも、指揮官は全幅の信頼を置く。「身上の切れ味をどこで生かすか。彼が一番分かっている」。その岩田も完勝だった前走を振り返り「まだ余力があった。60%くらいしか力を出していない。もっと走れる」と愛馬のポテンシャルにほれ込んでいる。骨折を克服し連勝街道を突き進む4歳馬。キズナ、ゴールドシップを撃破しての戴冠なら、胸を張ってデウス時代の到来を告げられる。

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