【天皇賞・秋】フェノーメノ馬体完成!伸びやか6F81秒5

[ 2014年10月30日 05:30 ]

春秋連覇へ躍動感たっぷりの動きをみせたフェノーメノ

 順風満帆。偉業を目前にしても、フェノーメノに力みは全くない。調教パートナーの佐々木助手を背にWコースのスタンド前から発進。ともすれば、突っ走りそうだった3歳時の姿は昔話。制御を利かせ、速めのピッチで徐々に加速した。直線で軽く気合をつけながら、伸びやかな脚さばきでフィニッシュ。6F81秒5の好時計を叩き出しながら、1F13秒2と最後もまとめた。5歳秋を迎え、完成の域。風格が漂っている。

 角馬場から動きをチェックしていた戸田師は穏やかに切り出した。「落ち着いていたし、しっかり動けていた。先週併せたので、単走は予定通り。先週はポリトラック(6F79秒3)なので時計は出たが、Wコースを考えれば、実質的にはきょうの方が速かった。予定通りにこれた」

 史上3頭目の天皇賞・春連覇を飾ると、宝塚記念は見送り、夏場は静養。春&秋天皇賞連覇に全てを懸けてきた。ぶっつけ本番も青写真通り。指揮官は「これが3200メートルとか、2400、2500メートルの緩い流れだと、休み明けで多少力む不安もある。でも2000メートルなら、流れるから心配ない。ジョッキーも細かい面に気遣うことなく、思い切って競馬できると思う」と思惑を明かした。2年前の天皇賞・秋(2着)は5F57秒3の超ハイペースで飛ばすシルポートに戸惑うことなく、正攻法の4番手で好走した機動力の持ち主。愛馬の適性を熟慮してのローテーションでもある。

 もちろん、状態の良さも手応えを増幅させている。師は「脚部不安で休んだ日経賞(5着)の時とは全然違う。それに、春よりもフレッシュな状態。ぶっつけは考慮して、やってきた」と状態面には太鼓判。1週前追いで感触を確かめた主戦・蛯名は「性格的にも鉄砲は利くタイプ。日経賞の時とは雲泥の差」と順調な過程に目を細めている。

 勝てば、テイエムオペラオーしか達成していない天皇賞3勝目の偉業。「正攻法の競馬ができるのがこの馬の良さ。多くの方に見に来ていただきたいし、G1当日は雨が降らずにやれればいいですね」。歴史的瞬間は大観衆の前で…。完成の域を迎えた雄姿を、指揮官もファンと一緒に見守っている。

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2014年10月30日のニュース