【天皇賞・秋】今週も福永!ジャスタウェイ直線一気の差し切りV

[ 2013年10月28日 06:00 ]

ジェンティルドンナ(9)を大きく引き離し天皇賞秋を圧勝したジャスタウェイ(左)

 府中でも“ユーイチスマイル”がはじけた。秋の古馬最強馬決定戦「第148回天皇賞・秋」が27日、東京競馬場で行われた。福永祐一(36)騎乗のジャスタウェイが中団待機から直線一気の差し切り勝ち、G1初タイトルを手に入れた。鞍上は先週の菊花賞に続く2週連続でのG1制覇を飾った。2勝馬の天皇賞・秋制覇は史上初。

【レース結果】

 年度代表馬を並ぶ間もなく抜き去った。残り200メートル、ジャスタウェイが先頭にいたジェンティルドンナを外からかわす。1馬身、2馬身…。その差をグングン広げ、終わってみれば4馬身差の快勝だった。

 「アッという間に置き去りにした。僕が戸惑うくらい。ジェンティルも見えなかった」

 引き揚げてきた福永は、その強さに驚きを隠せなかった。鞍上にとって菊花賞のエピファネイアに続く2週連続のG1制覇。単勝1倍台の断然人気だった先週とは違い、5番人気の伏兵での勝利だったが“見えている”時は、全てがうまくいくもの。

 「自分がうまく乗れれば一発やれると思っていた。まずスタートを五分に出ないと勝機はないなと」

 2、3走前にコンビを組んだ時は出遅れが響いて届かず連続2着。この日はスタートに全神経を集中させた。レース直前、ゲートに入れてひそかに練習を行っていた。「後ろ(お尻)から入れたら、おとなしかった。無断で(練習を)やらせてもらいました(笑い)」と鞍上。

 それが正解を引き出して思惑通りにスタートが決まった。トウケイヘイローが逃げ、ジェンティルドンナが2番手。人気馬が前にいる展開でも焦らず11番手で流れに乗り、抜群の手応えのまま直線は外へ。

 「道中は1番プレッシャーのない位置で運べた。レース前は直線で内を突こうと思っていたが、外に道ができていたから」

 残り400メートルまで追い出しを待つ余裕を見せ、ゴーサインに瞬時に反応。上がり3F最速34秒6の末脚で突き抜けた。鞍上にとって、このレースは12回目の挑戦で初制覇となった。

 「最高のステータスになる。レース前に君が代が聞こえてきて、集中できた。厳かな気持ちでゲートインできました(笑い)」

 1年前のこのレースは6着。馬は確実に成長した。須貝師は「2、3歳時は精神面、肉体的にも凄く弱かった。4歳を迎えて、たくましくなってきたし成長を感じた」と目を細めた。

 勝ち星のなかった中距離戦での勝利。それでも指揮官は「今後は様子を見てから」とした上で僚馬ゴールドシップとの対戦となる「ジャパンCには使わない」と明言。ただ、鞍上は「乗りやすい馬。血統、走り方からも距離は持たないと思わない」とジャッジ。使うレースの選択肢が広がって、国内にとどまらない今後の活躍も期待できそうだ。

 ◆ジャスタウェイ 父ハーツクライ 母シビル(母の父ワイルドアゲイン)牡4歳 栗東・須貝厩舎所属 馬主・大和屋暁氏 生産者・北海道浦河町社台コーポレーション白老ファーム 戦績16戦3勝 総獲得賞金2億9992万6000円。

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