【クイーンS】マルセリーナ 前走の好状態キープ!馬なり12秒5

[ 2013年7月26日 06:00 ]

マルセリーナは軽快な動きを見せて、ラスト12秒5を叩き出した

 今年は函館開催となった「第61回クイーンS」(28日)。出走馬で唯一、マルセリーナが木曜追いを行った。風雨が強まる悪天候の中、芝コースで軽快な動きを披露。11年桜花賞以来、約2年ぶりの勝利を飾った前走の好状態キープをアピールした。

【クイーンS】

 津軽海峡から吹き付ける強風と横殴りの雨。耳元を切り裂く風の音に驚いて立ち上がる馬もいる中、マルセリーナは落ち着きはらった様子で芝コースへ入った。向正面から、まずはキャンター。1周以上流して、追い切りらしいスピードに乗ったのはゴールまで残り1Fの地点。馬なりのまま軽快な脚さばきで駆け抜けた。計時は4Fから59秒8~44秒1~12秒5。

 当初はダートコースを予定していたが、雨の影響で砂が硬くなったため、クッションの効いた芝へと切り替えた。「栗東でも乗ってきたし、木曜追いで直前軽めも予定通り。予定と違ったのは天気くらい」。松田博師は満足そうな笑みを見せて愛馬を出迎えた。

 前走マーメイドSで11年桜花賞以来、実に2年2カ月ぶりの復活V。だが、指揮官はこの「復活」という言葉が不満だ。「桜花賞の後も牝馬同士ではいつも差のない競馬をしてきた。ツキのないレースも多かった。確かに勝ってはいなかったが、自分の中では復活という感じはしていない」と語気を強めた。

 前走からの上積みを問われると「そんなに走る度によくなっていたら、走るどころか飛んで行ってしまうやろ」。指揮官はそうたしなめた上で「変わりなく順調に来られたのが一番。ガタガタになるのはすぐ。1カ月もかからないんだから」と、独特の言い回しで体調の良さを伝えた。5月までびっしり生えていた冬毛も、前走ですっかり抜けた。「寒い時季はさっぱりの馬だから今の時季もいいんだろう。以前は腹がボテッとしていたが、今は胴が伸びてすっきりした」と目に見える変化もある。

 桜花賞までの2勝は全てマイル戦。前走で初めて2000メートルを勝ったことで秋の方向性にも変化が。「もともと牝馬同士なら距離は持つと思っていた馬。今回の結果次第だが、秋はエリザベス女王杯も視野に入ってくる」と松田博師は話す。「復活」ではなく、大人の女へと「変貌(ぼう)」を遂げたマルセリーナ。桜の女王の物語は、まだまだ終わらない。

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2013年7月26日のニュース