【安田記念】短距離世界王カナロアいざマイル!秘策“逆転仕上げ”

[ 2013年5月28日 06:00 ]

2年5カ月ぶりとなるマイル戦に挑戦する最強スプリンター・ロードカナロア

 春の東京G1・5連発もいよいよ今週が最後。締めくくりは春のマイル王決定戦「第63回安田記念」。トップホースが集結してハイレベルなメンバー構成だが、最強スプリンターのロードカナロアの参戦は注目度No・1。果たしてスプリント&マイルの統一王者となれるのか、陣営は“変則”仕上げでタイトル奪取を狙っている。

【安田記念】

 最強スプリンター・ロードカナロアが安田記念に参戦する。新境地を求めてマイルへ矛先を向けた。その胸中は…。レースを6日後に控えた月曜日朝、調教パートナーを務める安田翔助手が語った。

 「気楽に挑めるというのはありますね。今まで経験してきたことを、違うカテゴリーでどれだけ出せるのか試してみたいという気持ちがありました。それにカナロアの可能性を広げてあげたいですし、こなせたときのメリットは大きいと思います」

 主戦場で戦うときと同じように自信満々とはいかない。マイルへの参戦は11年1月5日、デビュー2戦目のジュニアC(2着)以来、2年5カ月ぶりだ。しかしカナロアならやってくれる、という期待も大きい。

 「距離が延びて切れ味が劣るのか、もっといい脚を使うのか、それは本当に分からない。ただ、マイルだからバッタリとか、そういうことはないと思います」

 距離延長に対応するため、調教メニューも工夫してきた。その内容を「千二の時と逆の仕上げ方」と説明する。「千二の時はレースに向けて気持ちを乗せていく調整でしたが、今回は2週前までに仕上げて、レースまでは落ち着かせることに重点を置いています」。

 スプリント戦に比べてペースの緩むマイル戦では、これまでと同じ精神状態で挑むとレース序盤で行きすぎる恐れがある。そこで肉体面のみハードに、精神面はソフトに仕上げた…というわけだ。最後の工程が29日の最終追い。昨年のシルクロードS以来、8戦ぶりにCWコースで追い切る。

 「馬はできているので、坂路に比べて惰性で走れて負荷がかからないCWコースにしました」

 メンバーは香港からの刺客も加わり、近年まれに見るハイレベル戦となった。しかしカナロアにもスプリントG1・3勝の誇りがある。「マイル路線が、今まで戦ってきたスプリントに比べて上だという意識はありません」と強烈な自負をのぞかせた。

 実力馬がそろったが、カナロアにとっての最大の敵はあくまで距離。その壁を乗り越えた時、マイル王の称号が手に入るはずだ。

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2013年5月28日のニュース