【フローラS】デニムアンドルビー、最後方から大外まくり!

[ 2013年4月22日 06:00 ]

デニムアンドルビー(手前)はフローラSを制し、力強くオークスに名乗りを上げた

 大事に磨いた原石が強烈な輝きを放った。オークスTR「第48回フローラS」が21日、東京競馬場で行われ、1番人気デニムアンドルビーが最後方から3角大外をまくって快勝。2着エバーブロッサム、3着ブリュネットまでがオークス(5月19日、東京)の優先出走権を獲得した。

【レース結果】

 「本当に大丈夫なのか」

 スタンドからレースを見守る角居師は気をもんだ。デニムアンドルビーは最後方からの競馬。スタートこそ無難に決めたが、2角から向正面に出る間に最後方まで下げた。内田の手が動いたのは3角手前から。馬群の大外をまくって一気にポジションを上げ、先行馬群を射程圏に捉えた。最後の追い比べに入った10頭ほどの馬群を、外から力ずくでねじ伏せていく。1頭、また1頭と叩き合いから脱落していく中、最後まで食い下がったすぐ内のエバーブロッサムを、残り100メートルで突き放しゴール。指揮官の胸騒ぎは杞憂(きゆう)に終わった。

 「2000メートルあるし、そんなにいい位置につけなくてもいいと思っていた。馬に負担をかけないよう、離され過ぎないように前を追いかけていった」とド派手な勝ちっぷりを鞍上の内田は平然と振り返った。今回が初コンビとは思えないほど、能力を完璧に引き出した。「前走も凄い脚だったし、力を出し切れば重賞でも十分足りると思っていた」。午前中いっぱい降り続いた雨で湿った馬場も全く問題にしなかった。

 「後ろからで心配した。本当に届くのか、切れるのか…。(位置を)上げて行ってからも、ずっと追い通しだったから」。安どの表情を見せた角居師は「ようやく間に合った」としみじみ。体質が弱く、カイ食いも細かったデニムはデビューが年明け2月までズレ込んだ。桜花賞の1週前、3戦目の前走でようやく未勝利を勝ち上がったばかりだが、その間に愛馬は劇的な変化を遂げていた。「前走あたりからカイバをしっかり食べるようになり、体もしっかり実が入ってきた」。前走から2キロ増での出走。初の関東圏の輸送も難なくクリアした。

 さあオークス。内田は「ゴーサインでスムーズに動いてくれるし、我慢してほしいところは息が入る賢い馬。末脚を生かせれば勝負になる」と本番を見据える。桜花賞、皐月賞とデムーロ兄弟が連勝したが「日本人も負けないように、自信を持っていきたい」と力強く締めくくった。遅れて登場した樫の女王候補。桜の上位組に叩きつけた挑戦状は、あまりにも鮮烈だった。

 ◆デニムアンドルビー 父ディープインパクト 母ベネンシアドール(母の父キングカメハメハ)牝3歳 栗東・角居厩舎所属 馬主・金子真人ホールディングス 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績4戦2勝 総獲得賞金6071万6000円。

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2013年4月22日のニュース