【スプリングS】ロゴタイプ威風堂々 強風切り裂くG1馬の迫力

[ 2013年3月14日 06:00 ]

ウッドチップコースで追い切るロゴタイプ

 G1ウイナーが万全の始動だ。東の皐月賞最終トライアル「第62回スプリングS」の追い切りが13日、美浦、栗東トレセンで行われた。ロゴタイプが強風にも負けない迫力満点の走りを披露。昨年の朝日杯FSに続く重賞連覇で皐月賞獲りへ前進する構えだ。

【スプリングS】

 強烈な西風がたてがみを逆立て、調教ゼッケンをまくり上げる。最大瞬間風速24メートル、美浦トレセンにも訪れた春の嵐。向正面で容赦なく襲いかかる向かい風にバランスを崩す馬が続出するなか、ロゴタイプは一糸の乱れもなく脚を伸ばした。Wコースでの単走追い。闘志をため込むように首を深く下げながら3、4コーナーを回る。直線で手綱が緩むと、追い風に乗って四肢に力がみなぎった。馬なりのままラスト1F13秒2。タイムは平凡だが、弾むようなストライドが体調の良さを伝えた。

 「すさまじい風だが、走りが安定しているからブレない。4コーナーまで15-15(1F15秒のキャンター)で行って、直線で脚を伸ばす予定通りの稽古。首を使ったいいフォームだった」。烈風が窓ガラスを激しく叩く調教スタンドで田中剛師は満足そうな笑みを浮かべる。「それに、強風にもイレ込んだそぶりを見せないし、精神面もしっかりしている」と続けた。

 風の強い日は馬に近づくな、という。強風に聴覚を狂わされて落ち着きを失うからだ。この日のトレセンでもイレ込む調教馬が目立ったが、ロゴタイプは金文字のG1優勝ゼッケンにふさわしい威風堂々とした歩様で馬場を引き揚げた。

 「朝日杯FSの後、すぐに放牧で充電。2月13日に帰厩後は長めのキャンターを重ねて基礎体力をつくってきた。追い切りも先週、先々週としっかりやったので息もできている」と同師。先週7日の馬体重測定では492キロ(前走482キロ)。レース当時は多少のプラス体重で出走できる見通しだ。

 「騎手があおられるほどのロケットスタートが決められるし、折り合いもつく。初騎乗のクリスチャン・デムーロも兄さん(ミルコ・デムーロ)から馬の特徴を聞いているだろうから、あとは当日の返し馬で感触をつかめば大丈夫」。田中剛師は耳障りな風音をかき消すような強い口調で締めくくった。

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2013年3月14日のニュース