【スプリングS】2歳王者ロゴタイプ始動 田中剛師「筋肉ついた」

[ 2013年3月12日 06:00 ]

スプリングSに出走する昨年の2歳王者ロゴタイプ

 昨年の2歳王者ロゴタイプが今週の中山メーン、皐月賞トライアル「第62回スプリングS」(17日、3着まで優先出走権)に出走する。昨年の朝日杯FSを制してから3カ月、放牧を挟んで一段とスケールアップした馬体で臨む3歳始動戦。イタリアのクリスチャン・デムーロとの初コンビで皐月賞へ前進する構えだ。

【スプリングS】

 G1優勝馬だけに許される馬名入りの調教ゼッケンが誇らしげに揺れている。その金文字のゼッケンと鮮やかなコントラストを描く黒光りした馬体。「ロゴタイプ、随分大きくなったじゃないか」。美浦トレセンの馬道ですれ違った他厩舎のスタッフたちが驚いた顔で振り返る。「馬体重も10キロは増えてますよ。冬の放牧でひと回り大きくなって帰ってきましたから」。田中剛師は愛馬に頼もしげな視線を送った。

 一流馬は現役時代に3度化ける、という。ロゴタイプが馬体を大きく変化させたのは今回で2度目だ。最初に化けたのは2歳の秋。放牧を経て18キロも増えた体でベゴニア賞を完勝し、続く朝日杯FS制覇につなげた。「体重増は成長の指標。2歳夏の3戦はあと一歩の競馬だったが、筋肉がついてパワーアップした」(同師)の言葉通り、レースぶりも一変していた。

 G1ウイナーとして迎える3歳始動戦。山元トレセン(宮城県)で約1カ月半余の放牧を終えて2月13日に美浦帰厩後は丹念に追い切りを重ねてきた。今月6日の1週前追い切りでは15馬身先行した併走馬を馬なりで3馬身ぶっちぎり。「追っての反応が凄く良かったし、抜け出してからソラを使うほど余裕があった。心臓を診てもらった獣医さんからも“できてます”とお墨付きを得ました」と同師は言う。

 「ダート適性も相当高い」。ミルコ・デムーロのそんな評価もあって、朝日杯の3日後に行われた交流G1全日本2歳優駿(川崎ダート1600メートル)に登録したほどパワーがある。「オーマイゴッド!」。朝日杯の直線で1番人気のコディーノが急追してくると、同騎手は心の中で悲鳴を上げた。それでも首差しのぎ切るほど勝負根性もある。スプリングSは弟のクリスチャン、本番・皐月賞では兄ミルコと、デムーロ兄弟が手綱をつなぐ1冠ロード。「今回は次(皐月賞)へのテスト。まずは距離にメドを立てたい」。同師は2度目の変化を遂げた幅のある馬体に視線を向けた。

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2013年3月12日のニュース