【弥生賞】コディーノ 瞬間移動再び!中距離仕様へじっくり

[ 2013年2月26日 06:00 ]

皐月賞TR弥生賞の主役へ気合十分のコディーノ

 クラシックは近い。今週の中山メーンは皐月賞トライアル「弥生賞」(3月3日)。常勝軍団・藤沢和雄厩舎のエース、コディーノが出陣だ。デビュー4連勝が懸かった昨年の朝日杯FSでは2着に敗れたが、今回は調教の方針を転換。仕切り直しの一戦に臨む。3戦無敗の関西馬エピファネイアを封じて、クラシックの主役に躍り出ることができるか。

【弥生賞】

 20日朝の美浦トレセン南馬場。東のクラシック候補をめぐって、調教スタンドが少々ざわめいた。水曜日らしく最終追い、1週前追いなどで各コースともにぎわう中、弥生賞1週前追いをかけるはずのコディーノが一向に姿を見せない。馬場入り中止?アクシデントか?記者、カメラマンが右往左往したが答えは簡単。予定通りの木曜追い。コディーノは閑散とした北馬場で、のんびりとキャンター調整を消化していた。翌21日、前日と打って変わって馬の減った南Wコースで、コディーノは杉原を背に6F84秒5、1F13秒5と、きっちり追い切った。

 全ては計算に基づくメニュー。今季初戦のキーワードは「気合を乗せない調教」(藤沢和師)だ。デビュー4連勝を懸けた朝日杯FSでは、先に抜け出したロゴタイプに首差届かず2着。気合が乗り過ぎ、3コーナーで外へ出した途端に引っ掛かった。

 「これから先は距離が長くなる。マイル仕様の朝日杯バージョンでは駄目。気が乗り過ぎないよう、じっくりといく」。調教馬で混み合う水曜の南馬場を避けたのも、気合を乗せないための配慮だ。放牧先のノーザンファーム天栄(福島)から2日に帰厩。追い切りこそ重ねたが、まだ一度も調教相手と馬体を併せていない。併せれば気合が乗るからだ。

 「朝日杯前とは落ち着きが全く違う。休養で体も一回り大きくなった。牧場で20キロほど増えた(前走時476キロ)し、今も10キロ増。ダービーの頃に、もう一段階変わるだろうが、成長しているのは間違いない」と同師は続けた。

 ムチも使わず馬群から一瞬で抜け出した東京スポーツ杯2歳S。その切れ味を横山典は「瞬間移動」と表現した。弥生賞と本番・皐月賞の舞台、中山2000メートルコースの直線で瞬間移動させるためには…。「藤沢厩舎は皐月賞を勝ったことがないからよく分からない。(過去3勝の)青葉賞のことなら分かるけど」。得意の自虐ジョークで周囲に笑顔の花を咲かせた藤沢和師。そんなことはない。サツキの咲かせ方だって心得ている。その秘けつは、中距離仕様の「気合を乗せない調教」だ。

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2013年2月26日のニュース