【有馬記念】京大頭脳はルーラーシップ 鞍上ウィリアムズに期待

[ 2012年12月21日 06:00 ]

有馬記念で悲願の国内G1を狙うルーラーシップ
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 12年は「京都大学」の年。山中伸弥教授(50)がiPS細胞でノーベル医学生理学賞を受賞し大フィーバー。医学界に負けじと?競馬界でも京大競馬研究会OBのマイケル・タバート氏(37)が愛馬ハナズゴールでターフを沸かせた。ならば有馬記念も京大ブランドの力を借りるべし!タバート氏、スポニチの京大OB記者、岡本草太と上岡圭吾が加わり有馬を徹底解剖。これぞ京大iPS(いっちょ有馬で・パーっと・資金倍増)予想だ。

【有馬記念】

 岡本 京大出身としては今年は何と言ってもノーベル医学生理学賞を受賞した山中伸弥教授が一番の話題。

 上岡 教授は京大の誇りですね。ちなみにiPSの“S”はStem cellのS。これ実は競馬記者におなじみです。

 タバート ああ、幹細胞ですね。屈腱炎の治療法にStem cell Transplantationってありますね。

 上岡 はい、日本語だと「幹細胞移植」。まだ研究中だそうですが、屈腱炎が不治の病でなくなれば競馬界のノーベル賞ものです。

 タバート 私は経済学部出身でそのあたり詳しくありませんが…。

 岡本 ともあれiPSの京大出身として、“幹”の太い有馬予想をお願いします(笑い)。

 タバート 頑張ります。

 岡本 おっとその前に、先週リゲルSでハナズゴールがチューリップ賞以来の勝利。おめでとうございます。

 タバート ありがとうございます。チューリップ賞後はアクシデント続きで悔しい思いもしましたが、ようやく賞金を加算できました。来年は大きいところを目指したいですね。

 上岡 楽しみにしていますよ。では有馬予想を。本命は?

 タバート ルーラーシップにしました。

 岡本 iPSと言えば遺伝子、遺伝子と言えば血統。ルーラーはハナズゴールの父オレハマッテルゼのいとこです。

 タバート 言われてみれば…。でも、それが理由じゃないです(笑い)。鞍上のウィリアムズは僕と同じオーストラリア人で、よく一緒に食事をする間柄なんです。

 上岡 血統ならぬ人脈ですか。山中教授も周囲の人のサポートに感謝してましたね。ある意味、京大的でしょう。彼と出会ったきっかけは?

 タバート 今年の春、京都競馬場で知り合いに紹介されて、その時「NHKマイルCでハナズゴールに乗せてほしい」って言われたんです。それは実現しなかったけど、僕の馬によく乗ってもらってるんですよ。

 岡本 なるほど。ルーラーについて何か聞いてますか。

 タバート ジャパンCは3着でしたけど「ゲートを五分に出ていたら勝っていた」と。それから「ゲートさえ出たら前に行く。JCの上位2頭が出ないんだし、チャンスだよ」とも。

 上岡 お、先行?ウィリアムズが前に行くと鬼に金棒ですね。

 タバート 彼はよく言ってますよ。「自分に技術はない。でも競馬は前に行って内をとったら勝ちだ」ってね。加えて本当に研究熱心。あの姿勢で乗られたら、そりゃ勝ちますよ。

 岡本 研究熱心ってのが山中教授的でいいですね。2番手以降は?

 タバート 人気ですがゴールドシップは外せません。ルーラーを倒すならこの馬。3番手はスカイディグニティ。波に乗ったブライアンズタイム産駒は相手が強くなっても走りますし、中山も得意。あとビートブラック。JCは7着でも差はなかったですし、今回は展開が有利。この2頭への3連単の2頭軸マルチ、12点で勝負します。

 上岡 絞ってきましたね。

 タバート 来年は出走馬のオーナーとしてインタビューを受けたいですね。出せるような馬がいれば…ですけど。

 岡本 来年はそれで集まりましょう!

 ◆マイケル・タバート 1975年1月12日生まれ。オーストラリア・シドニー出身。オーストラリアの高校を卒業後、大阪外大で日本語を学び、京都大学経済学部に留学。卒業後に一度オーストラリアに戻り、現在も働く税理士法人のグループに入社。その後、99年に再来日して、01年から大阪事務所に勤務している。冠号のハナズは妻・花代さんの名前に由来。現在はJRAに7頭を所有。

 ◆iPS細胞とは iPSはInduced Pluripotent Stemの頭文字。誘導多能性幹細胞。体細胞へ数種類の遺伝子を導入することで、非常に多くの細胞に分化できる分化万能性と、分裂増殖を経てもそれを維持できる増殖力を持たせた。山中伸弥教授率いる京都大学の研究グループによって、マウスの線維芽細胞(皮膚細胞)から06年に世界で初めて作られた。名付け親は山中氏。最初を小文字の「i」にしたのは、米アップルの携帯音楽プレーヤーである「iPod」のように普及してほしいとの願いから。

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