【マイルCS】ファイナルフォーム右回りお任せ!結構な“お手前”

[ 2012年11月15日 06:00 ]

ファイナルフォーム(右)は堀厩舎の先輩ストロングリターン(左)、リアルインパクトに負けない動きでマイルCS制覇に期待を膨らませた

 「マイルCS」(18日、京都)の追い切りが14日、美浦、栗東トレセンで行われ、有力馬3頭を送り込む堀宣行(45)厩舎が豪華併せ馬。中でも3歳馬ファイナルフォームが抜群のフットワークを披露。昨年の安田記念を制したリアルインパクト、今年の同レースVストロングリターンを上回る迫力でG1初制覇へ前進した。

【マイルCS】

 キャリア6戦の3歳馬が、歴戦のG1ホースを子供扱いだ。本番と同じ右回りのWコースを舞台にした最終追い切り。ファイナルフォームは4コーナーを回り終え、手前(軸脚)を右から左へ切り替えた瞬間、別馬のように四肢を弾ませた。3頭併せの大外に進路を取って、蹄の先まで覇気に満ちたストライドを伸ばしていく。懸命に手綱を動かして内から追いすがるリアルインパクト。だが、手応えがあまりにも違う。最内を突いたストロングリターンさえしのぐ脚色。最後まで馬なりのまま、古馬2頭と鼻面を並べてゴールに飛び込んだ。5F66秒0、1Fは12秒9を刻んだ。

 「この馬は左手前の方が伸びる。右手前は苦手と言っていい。だから(左回りの)東京から(右回りの)京都に舞台が替わるのはプラス」と堀師は説明した。左回りコースでは3、4コーナーを左手前で回り、直線に向いてから苦手な右手前で走る。逆に右回りコースでは3、4コーナーを右手前で通過し、直線、得意な左手前で走れる。それだけ末脚が威力を増すという理屈だ。

 2連勝で臨んだ前走・富士S(2着)。左回りの東京コースが舞台だったため、直線入り口で右手前に切り替えてからモタついた。「休み明けの分もあっただろうが、勝負どころで反応が鈍かった。それでも、別定56キロを背負って古馬と互角に戦えたのは大きい」と同師は語った。

 過去、右回りコースは3戦2勝、2着1回。経験馬を相手にした中山のデビュー戦(3月)では後続に1馬身1/4差、福島のラジオNIKKEI賞では2馬身差の完勝だった。ファイナルフォームとは英語で「最終形」。レースの最終形が左手前のフットワークになる右回り・京都コースこそ本領発揮の舞台だ。

 ◆手前(てまえ)とは 競走馬が走るときに軸にする前脚のこと。まず右脚を大きく前に出し、次に左脚をかき込むように地面に置くフットワークを「左手前」と呼ぶ。右回りなら右手前でカーブを回り、直線で左手前へと変換するのが基本。逆手前で走ると外に膨れ、うまくコーナーを回れない。同じ手前で走っていると、同じ筋肉ばかり疲労しバテるのが早くなる。それを避けるためにも直線で手前を替えるのが望ましい。

続きを表示

2012年11月15日のニュース