【新鋭王座決定戦】茅原、天も味方!卒業大会で有終V

[ 2012年10月1日 06:00 ]

「新鋭王座決定戦」を制し、仲間から水に落とされる茅原

 ボートレース徳山のG1「第27回新鋭王座決定戦」は30日、12Rで優勝戦が行われ、2号艇の茅原悠紀(25=岡山)がF繰り上がりにより1着。優勝賞金1000万円とともに、来年のSG総理大臣杯(3月15~20日、平和島)の出場権を獲得した。なお、1号艇の佐藤翼はインから先マイを果たしたがコンマ07のフライング。優勝戦の売り上げ4億2528万8000円のうち、75%にあたる3億1905万3800円が返還となった。

 決まり手は恵まれ。しかし、大舞台でもまれてきた茅原の洞察力がキラリと光った。スリットで大きく先行したイン佐藤が、1M先マイから独走態勢に持ち込む。それでも茅原は「スタートした時点で1号艇がFを切ったことが分かった。ここは2着だと思ってハンドルを切った」と瞬時に判断し、外4艇をけん制するようにターン。バック中間点で佐藤にFランプが点灯すると、狙い通り2番手から先頭に繰り上がった。2M以降は悠々と独り旅。最後は後続を大きく引き離し、前回大会準優勝の雪辱を果たした。

 茅原が所属する岡山イーグル会は80年台、黒明良光や林貢(共に引退)といったSG、G1ウイナーを輩出した全国でも指折りのペラグループだが、近年は全国発売レースの優勝からは遠ざかっていた。今回の茅原の優勝は名門復活を力強く告げた。「先輩からたっぷり面倒をみてもらったのに、僕は先輩に対して何もできなかった。ここで結果を出せて、少しは恩返しができたと思う」。感無量の様子で語った。

 今大会で新鋭枠から卒業する茅原。有終の美を飾ったものの、ここからが本当の戦いだ。「昨年から記念タイトル、SGタイトル、地元SG出場を目標に掲げてやっている。今の僕ではSGでは通用しない。それでも、諦めずに先輩たちに食らいついて結果を出したい。せっかく落とした体重も維持したい。今夜も豆腐と炭酸水で我慢だよ」とストイックに今後を見据えた。今回の優勝により、今年の獲得賞金ランクは3603万9000円で25位。11月に茅原の地元・児島で開催されるSGチャレンジCの出場権は、ほぼ手中に収めた。今月末に控える福岡SG全日本選手権、そして夢の地元SGで茅原は貪欲に結果だけを求める。

 ▼優勝戦VTR 進入はS展示、レース共に123・456。佐藤がイン先マイも無念のFコール。差してBS2番手にいた茅原が、繰り上がりで先頭に躍り出て優勝。1M、2Mと連続で全速旋回の西村が2着。2周1Mで黒井を差した船岡が3着に入った。

 ◆茅原 悠紀(かやはら・ゆうき)1987年(昭62)7月11日、岡山県生まれの25歳。06年11月デビューの99期生で岡山支部所属。同期は坂元浩仁、水摩敦ら。通算41優出7V。G1は4優出1V。今年5月の笹川賞でSG初出場。1メートル71、50キロ。血液型A。

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