【神戸新聞杯】ゴールドシップ 皐月賞馬の地力見せる!

[ 2012年9月21日 06:00 ]

【神戸新聞杯】ゴールドシップ(右)は坂路をジャスタウェイと併せて追い切られ軽快な動きを見せる

 オルフェーヴル(フォワ賞)、フェノーメノ(セントライト記念)に続き、今週もステイゴールド産駒が席巻する。変則日程の関係で木曜追いラッシュとなった東西重賞。菊花賞トライアル・神戸新聞杯(3着まで優先出走権)で皐月賞馬ゴールドシップが始動する。坂路の併せ馬では鼻差先着がやっとだったが、地力は一枚上。底力で押し切る構えだ。オールカマー組ではナカヤマナイトが軽快。昨年の共同通信杯以来の重賞Vで、秋のG1戦線へと弾みをつけたい。

 地力に託す。これが結論かもしれない。ゴールドシップの最終追いは、坂路でジャスタウェイ(3歳オープン)との併せ馬。ラスト1F、左ムチが入って首ほど前に出たが、ゴール前はややモタモタ。最後は詰められ、何とか鼻差先着した。手応えは相手がはるかに上回り、皐月賞馬にしては物足りなさが残った。

 動きを見届けた須貝師は言葉を選ぶように、ゆっくりと口を開いた。「最後は2頭一緒にと指示。動きは悪くなかった。時計にこだわっていませんから」

 4F53秒3~13秒4。皐月賞が55秒3、ダービーが54秒2だったから、さほど攻め駆けするタイプではない。心配はいらないのかもしれないが、以前のゴール前は周囲を圧するような迫力があった。攻め量もやや不足気味か。腹回りがボテッとして、妙におとなしく映る。

 完調手前を承知した上で、指揮官は圧倒的な潜在能力に期待する。皐月賞は荒れ馬場の中、インからワープしたかのように突き抜け、2馬身半差圧勝。ダービーは5着だったが、上がり3Fはメンバー中最速タイの33秒8。「春に使った脚を見れば、距離が延びてさらに楽しみ。心肺能力の高さは証明できたと思っている」。師の信頼が揺らぐことはない。

 この4カ月間、ダービーの悔しさを忘れたことはなかった須貝師。最後の1冠への熱い思いを語った。「ダービーは結果的にもったいなかった競馬。内田騎手もそのことは分かっていると思う。皐月賞馬として恥ずかしくない競馬をしてほしい」。確かに目標は先で、ここは先を見据えた一戦。ただ、それでもクラシックホースにふさわしい走りは見せる。それが皐月賞馬のプライドであり、ライバルへの礼儀だ。

 ≪秋初戦は未勝利≫過去10年の皐月賞馬の秋初戦は【2224】で勝率20%、連対率40%とやや物足りない。勝ったのは05年ディープインパクト、11年オルフェーヴルの2頭。共に春の2冠馬として神戸新聞杯を快勝し、後に菊花賞も制して3冠馬となった。つまり、2冠馬以外の皐月賞馬は秋初戦未勝利だが、ゴールドシップはどうか。

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2012年9月21日のニュース