【セントライト記念】フェノーメノ ダービー2着の貫禄V!

[ 2012年9月18日 06:00 ]

【セントライト記念】追いすがるスカイディグニティ(右端、2着)、ダノンジェラート(右から2頭目、3着)を抑えてレースを制したフェノーメノ(左)

 ダービー2着馬が貫禄を見せつけた。菊花賞TR「第66回セントライト記念」が17日、中山競馬場で行われた。単勝2・0倍の1番人気、フェノーメノがファンの支持に応えて完勝。秋のG1シリーズに向け好スタートを切った。2着スカイディグニティ、3着ダノンジェラートまでが菊花賞(10月21日、京都)の優先出走権を獲得。騎乗した蛯名正義騎手(43)は史上6人目のJRA重賞通算100勝に到達した。

 ダービー2着の看板に、ここで傷をつけるわけにはいかない。フェノーメノが完璧なレースで、秋初戦をものにした。好スタートを決め、まずは好位6番手を確保。2角から徐々にポジションを上げていく。蛯名の両腕はノーアクションだが、自然と加速し3角手前で3番手まで上昇する。4角を回り切ると先行2頭が失速し早くも先頭に。鞍上はここで初めてゴーサイン。急坂を一気に駆け上がり、内に切れ込みながらも後続を突き放す。スカイディグニティが末脚で懸命に食い下がったが、時既に遅し。1馬身差をつけて堂々と押し切った。

 「少し先頭に立つのが早かったが、踏み直して力負けと言われるのは嫌だった。自信もあったし地力で勝負した。最後も余裕があった」。パートナーの能力を信じていた蛯名に迷いはなかった。「春より落ち着いていたしバランス良く走れるようになった」と夏を越しての成長も評価した。この勝利でJRA重賞100勝に到達。5月の目黒記念(スマートロビン)以来の重賞Vに「春から勝てなかったのでファンも待ちくたびれたと思う。これで終わりではないし、もっと勝っている同期や先輩に追いつけるよう頑張っていきたい」と43歳のベテランは決意を新たにする。

 戸田師も「安心して見ていられた。横綱相撲だったね」と満面の笑み。レース直前にスコールのような雨が降ったが「硬い馬場ではなく力のいる馬場に対応できたのも収穫。スタートも普通に出たし掛かる感じも一切なかった。直線は内にもたれたが、まだ目いっぱいに仕上げていない。次は解消される」と前哨戦の勝ち方に満点評価を与えた。

 次は満を持してのG1獲り。菊花賞と天皇賞・秋の2択だ。戸田師は「東京の方がより力を発揮できると思うが強い古馬が相手になる。タイトルを獲らせてあげるなら3歳同士か…。僕の独断では決められない。オーナーサイドと相談したい」と話すにとどめた。一方で蛯名は「春に悔しい思いをしているし、世代の中で一番強いことを証明したい気持ちはある」と菊参戦を希望した。菊か盾か。どちらにせよ主役候補としてG1舞台に立つのは間違いない。

 ◆フェノーメノ 父ステイゴールド 母ディラローシェ(母の父デインヒル)牡3歳 美浦・戸田厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産者・北海道平取町追分ファーム 戦績7戦4勝 総獲得賞金1億9116万6000円。

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