オルフェ、決まった凱旋門賞!鞍上はC・スミヨン

[ 2012年7月16日 06:00 ]

凱旋門賞でオルフェーヴルとコンビを組むことが決まったC・スミヨン

 G1・5冠馬オルフェーヴル(牡4=池江)が15日、今秋の凱旋門賞(G1、10月7日、仏ロンシャン競馬場芝2400メートル)に挑戦することが正式決定した。この日、吉田俊介サンデーレーシング代表、池江泰寿調教師が発表したもの。前哨戦に本番と同じコースのフォワ賞(G2、9月16日)を使っての参戦。鞍上に新コンビとなるクリストフ・スミヨン(31)を迎え、仏2戦はともに手綱をとることになった。 

 サンデーレーシング主催の「オルフェーヴル宝塚記念祝勝会」が開かれたホテルの宴会場で記者会見が行われた。吉田氏が口火を切った。

 「遅くなって申し訳ありません。オルフェーヴルが今年の凱旋門賞を走ります」

 正式決定に吉田氏も池江師も安どの表情を見せた。

 サプライズは鞍上だ。フォワ賞と凱旋門賞の2戦はクリストフ・スミヨンが騎乗する。騎手に関しては厩舎とオーナーサイドで熱い協議が重ねられた。「クセのあるオルフェーヴルに乗り慣れた池添」か「凱旋門賞2勝の実績があって人柄もよく知るスミヨン」の2択で「見解の相違もあって、随分話し合った」という。また「ほかのジョッキーは考えていなかった」と吉田氏。議論の結果、最終的にスミヨンに決まった。既に「フォワ賞と凱旋門賞の2戦、確実に騎乗してくれる」優先契約が14日に結ばれている。池江師は「池添くんにはきょう(15日)のレース終了後に伝えた。彼の力で勝ててきたという気持ちは変わらない」として「全てベストの態勢で臨むため」と語った。

 池江師は英米の名門厩舎で腕を磨いた経験があり、ディープインパクトの凱旋門賞遠征(06年、3位入線失格)にも同行している。タイトルがすぐ手に届くところにある環境で育った若き名トレーナーは「勝つための遠征であり、勝機があるからこその決断だ」と強調した。

 オルフェーヴルは現在、滋賀県ノーザンファームしがらきでリフレッシュ中。ここで調整を続け、8月18日から始まる輸出検疫の直前に栗東トレセンに入厩する予定だ。渡仏は8月25日。その後はシャンティイの小林智厩舎に入厩する予定。同厩舎のアヴェンティーノ(牡8)を帯同し、ステップレースにフォワ賞を使って万全の態勢で本番に挑む構えだ。池江師は「ベストの状態で出走させたい。もちろん、勝つつもりで行きます」と会見を締めくくった。いざフランスへ。日本の最強馬が競馬史に新たな一ページを刻もうとしている。

 ▽C・スミヨンの話 日本のチャンピオンホースの鞍上に指名されたことは騎手として大変光栄で、とてもうれしく思っています。これまでのボクの経験を買われての起用だと思うし、何としてもその期待に応えたい。個人的には、今年の凱旋門賞路線は大混戦だと思っている。闘争心のありそうなタイプだからフランスのタフなレースも問題なくこなしてくれると思う。ただ、その半面難しいところもありそうな馬。だから、フォワ賞の前に調教に騎乗して感触をつかみたいと思っている。ロンシャンの空に日の丸を掲げるために、精いっぱい騎乗することを約束します。

 ◆クリストフ・スミヨン 81年6月4日、ベルギー生まれの31歳。仏ブータン厩舎の見習騎手として97年デビュー。凱旋門賞は03年ダラカニ、08年ザルカヴァの2勝。10年天皇賞・秋(ブエナビスタ)で日本G1初制覇。今年はディープインパクト産駒ビューティーパーラーで仏1000ギニーV。

続きを表示

2012年7月16日のニュース