【日本ダービー】伏兵？グランデッツァ良馬場なら

＜日本ダービー＞皐月賞のリベンジに燃えるグランデッツァ

　人の心は移り気だ。皐月賞では単勝オッズ３・１倍の１番人気に推されたグランデッツァが、このダービーでは伏兵扱い。なるほど、確かに勝ったゴールドシップから０秒７差の５着。それも追ってさほど伸びるところがなく、着差以上の完敗だった。しかしこの一戦だけで見捨てていいものか。全休日の月曜朝、担当の鍋谷助手が愛馬の手入れをしながら、悔しさいっぱいの前走を振り返った。

　「皐月賞は本当にいい状態だったんです。それがああいう結果に終わってしまった。馬場なんですかね？でも、スプリングＳの時は道悪でも何ともなかったのに…。ジョッキーは馬場がこたえたと言ってましたけどね」

　確かに馬場も敗因の１つだろう。Ｍ・デムーロはレース後「スプリングＳの時とは同じ道悪でもちょっと違っていて、滑るような馬場でグリップが利かなかった」とコメント。グランデッツァの非凡な瞬発力を生み出す「長くてきれいな繋（つなぎ）」が、上滑りする馬場にフィットしなかったと見て間違いないだろう。

　屈辱から１カ月余り、汚名返上に燃える頂上決戦に向けて調整は順調そのものだ。１週前追い切りはＣＷコースで５Ｆ６３秒６の一番時計。

　「ジョッキー（池添）は乗るごとに良くなっていると言っているし、いい状態で出せますね。今は５００キロあるけれど、今週しっかりやって、レースでは４９０キロ前後でしょう。折り合いが付くから距離も大丈夫だと思います」

　鍋谷助手は前向きな言葉を続け、さらに最後に笑顔でこう付け加えた。

　「週末の天気もいいみたいですね」

　ダービー当日、２７日の東京競馬場の天気予報は曇時々晴。言い訳の許されない舞台設定で、一世一代の走りを見せる。