【天皇賞・春1週前追い】オルフェ 逸走の不安一掃

[ 2012年4月20日 06:00 ]

<天皇賞・春>坂路で併せたオルフェーヴル(手前)は絶好の気配

 天皇賞・春の1週前追いが19日、美浦、栗東両トレセンで行われた。調教再審査明けのオルフェーヴル(牡4=池江)が、坂路でさすがの脚力を披露。馬なりのままオープン馬に先着して仕上がりの順調さをアピールした。前走の阪神大賞典で逸走、2着となって多くのファンの支持を裏切ったが、汚名返上の舞台は整いつつある。

 昨年の年度代表馬オルフェーヴルが開門直後の坂路を力強いフットワークで駆け上がってきた。ダノンバラード(4歳オープン)を追走して、鞍上が気合をつけるとグングン伸びてくる。4F51秒7~1F12秒4の好時計を余裕の手応えで刻むあたり、さすがの脚力。最後は1馬身先着して仕上がりの良さを印象付けた。

 「時計、動き共に良かった。息遣いも1週前としてはいいね。オープン馬相手に馬なりでああいう動きをするんだから、言うことない」。感触を確かめた池添は上々の手応え。休み明けだった前走と比べても「馬が落ち着いてリラックスできているのが一番。気負いがなくスッキリした感じ」と上積みを感じ取っている。

 阪神大賞典(2着)は2周目3角で逸走したため、調教再審査に。3月28日から再審査の場となるEコースに入り、池添も普段の調教からまたがってきた。「キャンターも普通の馬とは違う。乗りやすいし従順」としてコンタクトを取ってきた。その成果もあって、2週前追いも兼ねた11日の調教再審査に無事合格。池江師は「1回でクリアできて良かった」と振り返り「Eコースでの調教はこの馬にとって負担となっていたね。いつもの坂路で追い切りができたのは大きい」と収穫を強調した。レースでも再審査時と同様にメンコ(覆面)を着用する。「試験と同じ馬装が基本なので。今回はそれでいく」と語った。

 5冠目を狙う今回はさらに1F距離が延びる。折り合い面という課題は避けて通れない。池添は「掛かるとは思う」と率直に語りながら「我慢させるしかないし、ベスト距離じゃなくても力でねじ伏せるくらいじゃないと。今回は下げるつもり」と作戦を明かした。

 現役最強馬として敗戦は繰り返さない。「G1でも力は違うと思うし、前回と同じことにはならないように。しっかり乗りたい」と気を引き締めた。最大目標とする凱旋門賞へ。ここで名誉挽回して挑む。

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