【クイーンS】馬体ふっくらアプリコットV字回復!!

[ 2011年8月10日 06:00 ]

昨年のクイーンSを制したアプリコットフィズ。再現へ態勢は整った。

 最下位敗戦から劇的頂点へ――。開幕週の札幌メーンは名物牝馬重賞「第59回クイーンS」。昨年の覇者アプリコットフィズが札幌競馬場で連覇へ着々と態勢を整えている。昨年優勝後は4連敗、ここ2戦は最下位に敗れているが、滞在競馬に復活への光明を見いだしている。

 復活への並々ならぬ闘志を感じさせた。小島太厩舎が札幌競馬場に滞在させているのはアプリコットフィズとギンザアキレスのわずか2頭。だが厩務員に加えて番頭・小島良助手が帯同し、さらに小島太師が調教師席で動きを注視する。この一戦に懸ける熱い思いが伝わった。

 「春は力んでしまって不発に終わった。前走(ヴィクトリアM17着)後は我慢を重ねてここまで待ったが、そのかいはあったよ。社台ファームで時間をかけて乗り込み、力を付けて帰ってきた」と小島太師。前走時は428キロに減った馬体は440キロ台に回復。見た目にふっくらしてエネルギーを蓄えたことが分かる。

 昨年のこのレースを制してから4連敗。ここ2戦は、いずれも最下位。小島良助手は「具合はいいのに意味が分からない」と首をひねる。だが今回は過去4戦とは決定的に違うポイントがある。滞在競馬で臨める点だ。「レース前日に競馬場へ輸送すると、その時点で気持ちにスイッチが入ってしまう。カイバを口にしなくなる」と小島太師は明かす。競馬が目前と知り、プレッシャーがかかってしまうのだ。その点、滞在なら装鞍所に移動するまでレースと分からない。重圧と戦う時間は相当に短くなる。馬は冷静な気持ちのまま競馬に向かうことができる。

 ピリピリしたトレセンとは違い、札幌競馬場独特の開放的な雰囲気もいいようだ。「ここではソワソワしない。イレ込む時もあるが、その時間自体がだんだん短くなっている。納得すれば冷静になる」と小島良助手も落ち着きを増した点を評価する。優勝した昨年と意識的に同じ調整を組み、復活に懸けてきた陣営。「何とか目覚めてほしい」(小島良助手)との祈るような思いにアプリコットが応える。

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