【函館記念】スターリーで丹内“故郷に錦”だ

[ 2011年7月21日 06:00 ]

史上5頭目の函館記念連覇に挑むマイネルスターリー

 サマー2000シリーズ第2戦「第47回函館記念」の追い切りが20日、函館競馬場で行われた。史上5頭目の函館記念連覇に挑むマイネルスターリーは地元函館出身の丹内祐次(25)を背にダートコースの外ラチ沿いを力強い動き。鉄砲Vを決めた巴賞(1着)以上の好反応で万全の態勢を整えた。デビュー8年目の丹内も「地元で勝つのが夢」と重賞初Vに闘志満々だ。

【函館記念】

 故郷に錦を飾りたい。マイネルスターリーを駆った丹内のアクションには思いがこもっていた。快勝した巴賞と同様、ダートでの最終追い。中1週を考慮して序盤は「静」に徹したが、直線を向くと「動」に一転。しっかり手綱を動かし、1F12秒7でパワフルにひと伸び。気温16度で長袖が必要なほど冷え込んだ空気を、熱気で吹き飛ばした。

 丹内は引き締まった表情で切り出した。「良かったですよ。外々を回って、直線は気合をつけた。前走とは手応えが違う。ゴール過ぎの反応が良かった。しまいの伸びは確実に良くなっている。巴賞の時は人気もなかったし、僕も正直なところ半信半疑でした」

 なるほど、前走は半年以上の休養が嫌われ、6番人気。それでも豪快に突き抜けた。丹内は「ゲートの課題もあったし(メンバー中最も重い)58キロでどうかなと思っていたが、あの強さでしたからね」とあらためて強さを実感した。

 スターリーに史上5頭目の函館記念連覇が懸かる一方、丹内も是が非でも欲しい重賞初タイトルだ。デビュー8年目、今年も15勝と順調に勝ち星を伸ばす丹内は函館出身。湯川町にある実家は函館競馬場2コーナー奥にあり、歩いて数分。野球少年だった丹内が中学の時、函館競馬場の「乗馬スポーツ少年団」に入り、志した騎手の道だ。

 「これだけのチャンスをいただき、本当にありがたい。函館は庭ですから。勝ちたいです。歩いて競馬場に来られるほどで、両親も毎週応援にきてくれる。地元で重賞を勝つのが僕の夢なんです」。丹内はこの一戦にかける思いを吐露した。

 パートナーのスターリーは全8勝中、7勝を夏の北海道シリーズ(函館2勝、札幌5勝)で挙げている現役屈指の洋芝巧者。トップハンデ58キロがメンバー最強の証明でもある。「今度は1番人気ですかね。マイネルスターリーと一緒に頑張ります」。丹内は愛馬の力を信じて、地元への恩返しに燃えている。

 ≪トップハンデは苦戦続き≫函館記念では過去10年、トップハンデの成績は【1009】。優勝は03年エアエミネム(58キロ)だけで2、3着なし。2ケタ着順も02年エアスマップ(13着)、04年トーホウシデン(10着)、06年マイソールサウンド(16着)、10年シャドウゲイト(10着)の4頭と苦戦続き。スターリーが勝てば、8年ぶりのトップハンデ馬の優勝だが、試練を乗り越えられるか?

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