【安田記念】今年は本気!香港馬ビューティー状態「ベスト」
安田記念の木曜追いが行われ、馬券的にも注目の3頭がそれぞれ軽快な動きを披露した。2度目の参戦となる香港馬ビューティーフラッシュは、東京競馬場芝コースで、ゲートから発進する実戦形式。馬体の迫力を増し、昨年11着の雪辱に燃えている。
【安田記念 追い切り データBOX】
今年は本気。2度目の来日となる香港馬ビューティーフラッシュは、本番を想定したゲートからの追い切り。安田記念と同じ芝1600メートルのスタート地点に設置されたゲートから猛ダッシュ。2F目に11秒1のラップをマークし、3角手前までの600メートルを、ほぼ全速力で駆け抜けた。「非常にいいコンディションだね。仕上げについては完ぺきだよ」。クルーズ師は満足そうな笑みをたたえていた。同じ芝コースの追い切りでも軽く流しただけで、弱気なコメントに終始した昨年とは明らかに違う。
11着に惨敗した昨年だが「気管支に疾患を抱えていた」とトレーナーは明かした。「レース直後に内視鏡で診てもらったら、気管が血だらけになっていた」。加えて、レース2日前から当日にかけて謎の体重増加。「理由は分からないが一気に18キロほど増えた」と振り返る。体調に不安を抱え、満足な運動量を消化できないままレースに臨んでいた。「今は健康になって気管に不安もなくなった。動きも力強くなり、調教などで求めていることに応えられる体になった」
この1年の成長ぶりを強調したクルーズ師だが、成績も体質強化を証明している。昨年の安田記念参戦時は地元香港の重賞を勝っただけの実績しかなかったが、暮れに国際G1香港マイルを制覇。マイルCS覇者エーシンフォワードやフランスの快速牝馬サプレザなど、世界の強豪を一蹴し堂々と駒を進めてきた。追い切り後の計量では546キロ。昨年のレース当日が直前に急増した分も含めて526キロ。この数字を見比べても充実ぶりは際だっている。
「昨年は皆さんをがっかりさせて申し訳なかったが、ベストコンディションの今年こそはと思っている」。指揮官は力強く締めくくった。サイレントウィットネスで05年スプリンターズS、ブリッシュラックで06年安田記念Vと、日本のファンにもなじみ深いクルーズ師。日本を熟知した名トレーナーが狙うのは「優勝」の2文字だけだ。
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