【皐月賞】ヒルノダムール“限界仕上げ”

[ 2010年4月17日 06:00 ]

 ヒルノダムールの最終調整は坂路。4F70秒2~1F16秒7をゆったりと刻んだ。力みはなく自然なフットワーク。それでいて集中力を保っている。昆師は感心しながら語った。「理想的な力の抜け方。現状でやれることはすべてやったし、現時点での限界まで持っていくことができた。今の時点では、ここまで」。ダービーを制した名調教師のジャッジ。持てる力を出し切れる態勢は整った。

 「経験が最大の武器」と指揮官は言う。前走・若葉S。1000メートル通過58秒5のハイペースを追走し、勝負どころでは勝ち馬ペルーサの厳しいマークを食らった。それでも何とか叩き合いに持ち込んで2着。悔しさは残ったが、速い流れと3歳春には珍しい肉弾戦を経験できたことは、過酷なクラシック戦線を迎える上で大きなアドバンテージだ。
 ヴィクトワールピサに人気が集中しそうなのも歓迎材料。「ラジオNIKKEI杯2歳S(4着)は早めにヴィクトワールピサにフタをされて4着。続く若駒Sではマークがルーラーシップに移って勝つことができた。それだけマークされながら勝つことは難しい。今回、ウチの馬は立場が有利だ」。昆師は元騎手らしい冷静な分析を披露した。
 16番も歓迎だ。「雨の影響が残る中で土曜に競馬をしたらインが荒れてくる。そうすればこの枠順が生きてくる」。荒れたインでゴチャつくライバルを外から差し切って1冠。昆師のシナリオは大団円に向けて順調に運んでいる。

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2010年4月17日のニュース